チャペルのひびき

深い闇のただ中にあってこそ

榎本榮次先生(敬和学園理事長)が、チャペル・アワーにてメッセージをご担当くださいました。ヨハネ福音書に記された、新約聖書の中でも最も暗いシーンの一つであるイスカリオテのユダの裏切りの中に込められた深い意味について説き明かしてくださいました。大切なことは、最も救いようのないひどい世界のただ中にも主イエスがいてくださるということ。むしろ、私たちの後ろめたく、救いようのない部分をとおして、私たちは主イエス・キリストの福音(喜ばしき知らせ)に出合うことができるとのことでした。私たちの人生にとってあってはならぬようなできごとが、人生にとってなくてはならぬことであるかもしれないことを、先生は教えてくださいました。引き続くアッセンブリ・アワーは、平和学習サークル・Keiwa Peace Project~祈り・つながり・希望~の報告会として守られました。サークルの皆さんは、広島女学院大学のオンライン学習会の様子や、そこでの学びについて、分かち合ってくださいました。平和が踏みにじられてゆく現実を日々突き付けられている今日だからこそ、平和について学び、平和をつくるためにできる小さなできごとを積み重ねてゆくことの大切さを、Keiwa Peace Project~祈り・つながり・希望~の報告をとおして教えられました。闇が深まりゆく現実の中にあって、平和の灯(ともしび)を守らんとするこのサークルの輪に一人でも多くの若人たちがつながってくれるよう、願ってやみません。(下田尾 治郎)

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「夜だった」 理事長 榎本榮次 先生

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
講話 「積み重ねる平和」 Keiwa Peace Project~祈り・つながり・希望~

<参加学生の感想>
感想1) 榎本先生のお話を聞き、私たちは暗い部分やつらいことがあるからこそ、幸せというものを実感できるのだと学びました。暗い部分や弱い部分は誰もが持っているものだけれど、そこに向き合うことは誰にとっても簡単なことではないと思います。でもしかし、その弱みに向き合うことができれば、それ自体が自分の強みなのだと思いました。弱みを含めた自分を愛し肯定することは強いことであり、幸せをつかむために必要だと思いました。そして、自分の弱みに触れることは他者の弱みに寄り添える要素にもなると思います。弱みとは決してネガティブなことではないのだと感じました。
感想2) 榎本先生のお話を聞いて、クリスマスに対して新しい視点で見ることができ、また自分についても考えるきっかけになりました。特に印象に残っていることは、「絶対にあってはいけないことは、なくてはならないこと」だというお話です。これは世界中の誰しもが持っているものであり、これを守ることで自分を見失わないのだという言葉になるほど、と思いました。また、Keiwa Peace Project~祈り・つながり・希望~の皆さんの発表を聞いてどのような活動をされたのかを知ることができてよかったです。昨年のこの時間に小さな折り紙で鶴を作ったことは今でも覚えており、箱にいっぱい入っていた鶴を見て、驚きました。戦争が生んだ悲惨さに対してみんなが寄せる思いは、一人ひとりで違いはあれども今も変わらずあり続けるのだと伝わってくるようで、温かさを感じられました。今でもまだ紛争や戦争は続いていたり、新たに発生している地域があります。今までの歴史や被害を風化させずに継承し続けていくことが、次の世代における平和の実現にもつながるのではないかと考えました。