誰かのために生きる(3代目学長 鈴木佳秀)

ルツとナオミ・その5[2010-01-15]

ボアズは言葉だけでルツを慰めたのではありません。食事の時、ボアズはルツに声をかけ「こちらに来て、パンを少し食べなさい」と語りかけているからです(ルツ記2章14節)。更に「一切れずつ酢に浸して」と語るボアズの言葉から、ルツが恐らく何も食べず、飲み物も持たずに早朝から空腹のまま働き続けであったことが知られます。彼女の状況を察知しているところに、この人物の優しさがにじみでています。
使用人を数多く使っている地主は豊かな生活をしており、貧しい民の生活ぶりなど全く気付かないか、注意を向けることもないというのが、普通どこにでもみられる光景でしょう。のどが渇いており、長い間空腹であった人が、パンをひといきに食べるとどのようになるかは、察するに余りあります。「一切れずつ酢に浸して」という言葉に、彼の細かな気配りが感じられます。葡萄から作られる酢は、疲労回復にも役立っていたからです。
刈り入れをする他の農夫の近くに遠慮して座ったルツに、ボアズは自ら歩み寄り、炒り麦を与えています。こうして彼女は食べ、満ち足り、力を回復してナオミのために落ち穂を拾うことができたのです。彼女は「飽き足りて残すほどであった」と聖書は語っています。(鈴木 佳秀)

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