学長室だより

2005年4月8日号

4月4日はこの北越の地は、珍しい晴天に恵まれた。桜はまだだが、沈丁花(じんちょうげ)や馬酔木(あしび)は暖かい季節の到来を告げている。
新発田市民文化会館に新入生203名、編入4名、計207名をむかえて、入学式をおこなった。敬和学園大学が定員をこえる数の学生を迎えることができたことは、久しぶりのことである。この数の学生諸君を「お与えいただけた」「お預かりした」というのが実感である。この学生諸君と来賓、父母の諸氏を前にして、わたしは「リベラル・アーツ(自由高等)教育」による「人格教育」の必要性と、本学におけるその実践を語った。「神に仕え、人に仕える」心だけが、人個人と人類全体に眞の幸福をもたらす。
この国はいま、「いつか来た道」に踏み込もうとしている。その危機の時間のなかで、いまわれわれにできることは、この若者たちに人格の「自由」の尊さを伝え、託してゆく以外にない。(新井 明)