学長室だより
2005年9月9日号
9月1日午前、黒龍江省の省都ハルピンにある東方学院に着く。正面玄関の上方に、横書きで「熱烈歓迎日本敬和学園大学代表団訪問我院」なる大きな真紅の文字がわれわれを迎えてくれた。代表団とはいっても、房文慧先生と新井の二人である。その二人を、東方学院は学長、副学長、日本語学科長以下多くの方がたが鄭重に遇してくださった。双方の大学の説明をしあった後で、1.留学生の交流、2.単位交換、3.講師交換などを基本とする協定書に両学長が署名した。
午後はわたしの希望で、ハルピン南部にある「関東軍防疫給水部」―第731部隊―の跡地へ行った。生きた人間を実験材料にして細菌感染、凍傷、毒ガスなどの実験を行ない、最期は死へ。3千人以上の生体実験を重ねた所である。焼却用ボイラー室も残る。日本は戦後も、これを隠蔽した。
われわれはこの地をこそ友好の地としなければならない。晩餐会で、わたしはそう語った。孟 学院長は深く同調してくださった。(新井 明)