学長室だより

2008年2月1日号

1月11日、二教授の最終講義がチャペル・アッセンブリ・アワーのなかで行われた。延原時行氏「もう一度、網をおろしなさい」。北嶋藤郷氏「私的方法論としての“断章取義”~団栗を踏む旅人~」。ご両所とも本学創設当初からの、学園の指導者たち。延原先生は宗教部長として「キリスト教と教育」委員会の長を兼ねられ、北嶋先生は英語文化コミュニケーション学科の主要な、また何年間はその学科長としての任務に携わられた。お二人が本学の方向と、その質の向上に努められた功績は大きい。いま本学はお二人の残された足跡を検証しつつ、新たな道を模索しようとしている。
神による創造的世界に招かれ、復活のキリストに出会い、宇宙の完成を祈る延原・宗教部長の姿。詩人・スペンサーの詩行「美わしきテムズよ!静かに流れよ/わが歌の尽くるまで」を生かして、西脇順三郎は故郷・小千谷の高校の校歌を生むにいたる。文学の永遠性を語る英米文学者・北嶋先生。「団栗(どんぐり)を踏み行く蹠(あしうら)まだ老いず」(鳥越すみ)の一句をご両所に贈りたい。(新井 明)