学長室だより
「戦争文化」ではなく「平和文化」を
キャンパスでは、新入生の入学を祝ってくれた満開のソメイヨシノが八重桜にバトンを渡し、聖籠町の果樹園ではさくらんぼの白い花が見事でした。そして今は新緑と鳥たちの季節です。気をつけて見ていると、いま鳥は2羽でいることが多いですよ。
4月14日にはNPO法人Peace Culture Village代表理事のスティーブン・リーパー先生が、新入生歓迎公開学術講演会「第三次世界大戦を回避するために」ですばらしい講演をしてくださいました。日本は平和だと思われていますが、実は私たちの生活も「競争文化」「戦争文化」に支配されていることに気づかされました。「今の世の中、数人が喜び、たくさんの人が苦しむ。それを変えたいと思うのが『平和文化』だ」と切り出された先生は、「今は第三次世界大戦の戦前で、それを止めるのが私たちの課題。どうすればいいか」と問いかけながら、世界の不平等な現実を表すたくさんの事例と解決のためのヒントを示してくださいました。学生たちの感想からは、心に灯をともされた者の生き生きとした熱意が伝わってきたので先生にお伝えしたら、平和の問題をしっかり受け止めてくれたことを喜んでおられました。平和文化は愛の文化です。4月21日の新入生オリエンテーションと相まって、大学生活ひいては人生の方向づけがなされたことと思います。新しい知識や考え方との出合いや経験を重ねて、一人ひとりにとってかけがえのない学生生活となることを願っています。(金山 愛子)