学長室だより

雄の初子に関わる規定

犠牲を捧げる伝統はどの世界にもみられます。初子を神に捧げるという儀礼は、古代イスラエルにも存在していました。
申命記には「あなたの牛の群れや小家畜の群れで生まれたすべての雄の初子を、あなたはあなたの神ヤハウェに聖別しなければならない。あなたは〔その〕あなたの雄牛の初子を〔使って〕働いてはならない。またあなたの小家畜の初子の毛を刈ってはならない。年ごとに、……ヤハウェが選ぶ場所において、あなたはあなたの家族と共にそれを食べることができる。しかしその初子に傷があり、……すべて何か〔儀礼的に〕欠けているところがあれば、あなたは……献げてはならない。あなたは、あなたの町の門の内で、穢(けが)れている人も穢れていない人も一緒に、カモシカや雄鹿〔の肉を食べるとき〕と同じように食べることができる。……あなたは、その血を食べてはならない。……それを水のように地に注がなければならない。」(15章19節~23節・私訳)と具体的に規定されています。
母胎から生まれるいのちは、神の祝福に与ったしるしであり、初子の雄は使役せず、生まれて八日目に創造主なる神に犠牲として献げ、聖別したのです(出エジプト記22章29節)。(鈴木 佳秀)