学長室だより

旅立ちを前に

3月20日に、敬和学園大学では卒業式が挙行されます。旅立ちの日が近づいています。卒業する学生諸君の大学生活が終わろうとしています。卒業する皆さんは希望を胸に社会に出て行くことになりますが、教職員は万感の思いで見送る立場です。人生という時の流れの中では、ごく短い期間でしたが、同じ学舎で生活を共にした思い出は、何にも代えがたいもので、一生の宝です。
個人的なことになりますが、小職も、6年間の務めを終えて旅立ちの日を迎えます。長いようで短かった6年間ですが、他では味わえない経験をさせていただきました。その意味で、教職員の皆さまや学生諸君に対し、深い感謝の気持ちで一杯です。敬和学園大学に赴任したことは、個人の予定や計画を超えたところから降ってきた、突然の運命とでも言うべきものでした。長い間、国立大学に勤務していましたから、すべてのことで戸惑いもありました。慣れるまで大変でした。しかし、教職員の方々の協力に支えられて、無事に退任の日を迎えることになりました。ありがとうございました。
『新潟県キリスト教史』をひもとくと、歴史的に意義深い敬和学園大学で勤務させていただいたことは、名誉なことであり、また新潟から横浜に赴任するという主なる神の導きには、驚きしかありません。大きなご計画の中に加えられたという、迫り来るような緊張感があります。転任しますが、これまでと変わりなく、敬和学園大学を覚えて、祈り続ける所存です。
ニュートンのリンゴの木の原稿としては、これが最後になります。教職員や学生諸君、またこの原稿を読んでくださった方々に、主なる神の祝福を祈ります。またお会いできる時まで、さようなら。(鈴木 佳秀)