学長室だより

笑顔で挨拶

爽やかな風が窓から入り通り抜けていきます。廊下ですれ違う学生たちと笑顔で交わす挨拶が、爽やかな一日の始まりを告げます。
敬和学園大学は学生数600人余りの少人数教育が特色の大学です。教職員は学生一人ひとりの性格を把握した上で、個性を伸ばすように教育しています。学生もしばしば「学生と教職員の距離が近く、学生と教職員の仲がよい大学である」と言っています。
40年近く前のことですが、私はその当時学生数6,000人余りのある国立大学を卒業して、学生数2,000人弱のあるキリスト教系私立大学の大学院生として入学して驚かされたことがありました。同じ日本の大学といっても、国立大学とキリスト教系私立大学では水と油のように違うと感じたのは、学生に対する教職員の態度と扱いの違いでした。キリスト教系私立大学では教員も職員も学生一人ひとりを大切にして、丁寧に扱っていることが肌で伝わってきました。
30年前に留学したイギリスの大学院ではさらに少人数教育が徹底し、日本とイギリスの大学の違いを肌で感じました。私の子供たちも幼稚園から小学校にあたる現地の学校に通いました。その送り迎えで親たちからも学ぶことがありました。幼児が学校に行く前に、家の玄関の鏡の前で笑顔をつくる練習をさせてから、学校に送り出す習慣があることを知ったのもその一つです。
9月半ばの後期が始まる直前に、今春卒業した二人の卒業生に廊下で会いました。笑顔で挨拶した後の言葉が忘れられません。「就職して他大学の卒業生の話を聞いて分かったのは、私たちのような学生生活は当たり前ではなかったことです。もう一度この大学に入りたい。」(山田 耕太)