学長室だより

映画「沈黙-サイレンス-」を観ました

立春の前にもう一度ドカ雪が降り、街中の道路は数日で除雪されました。道路脇には雪の壁ができ、除雪した雪を雪捨て場に運ぶトラックが行き交っています。26年目で初めての光景です。

『沈黙』刊行50周年、遠藤周作没後20年の昨年に制作されたスコセッシ監督「沈黙」が先週から全国の東宝系映画館で上映されました。新潟では忙しくて観る機会がありませんでしたが、東京での会議が終わった後で、新幹線に乗る前に日本橋の映画館で観てきました。
 
本学では昨年の7月下旬のオープンカレッジで遠藤周作のお弟子さんで作家・元『三田文学』編集長で、本学の阿賀北ロマン賞に審査委員長である加藤宗哉先生を講師にして、遠藤周作の『沈黙』について連続4回の講演会でも詳しく取り上げさせていただきました。

2017.2.3学長ブログ

遠藤周作の愛弟子の加藤宗哉先生から『沈黙』について講演していただきました

 

私自身も学生時代にその当時センセーショナルであった『沈黙』を読みました。主人公ロドリゴと脇役キチジローのあらすじは覚えていましたが、映画を観るまでその内容をすっかり忘れていました。その当時は「転び」と「神の沈黙」に関心がありました。今回は「弱さを担う」「弱さに寄り添う」という現代的なテーマが問われていることを改めて確認しました。

30年前に長崎に近い外海(そとみ)の美しい海の断崖に立つ遠藤周作文学記念館を二度訪れました。そこで『沈黙』の執筆動機となった「踏絵」の本物を見ましたが、映画で使われた「踏絵」よりもすり減って丸みを帯びていました。今回の美しい海のロケ地は台湾でした。(山田 耕太)