キャンパス日誌

【新任のごあいさつ】歴史は現在と過去の終わりなき対話(金耿昊)

敬和学園大学 金 耿昊

「歴史とは、歴史家とその事実のあいだの相互作用の絶えまないプロセスであり、現在と過去のあいだの終わりのない対話なのです」(E・H・カー、近藤和彦訳『歴史とは何か 新版』岩波書店、2022年、43頁)。これは歴史学を志す人なら必ず読み、あるいは聞く有名な一文です。私も大学1年の時、歴史学の先生からこの本を読むよう勧められた思い出があります。
歴史の学び方には2つの形があります。一つはいま目の前にある問題の根源を過去へさかのぼる形です。もう一つは、過去の姿に出合うことを通して、いまを見つめ直す形です。どちらの場合にも、歴史認識は現在への問題意識と密接に関係します。
私たちがこの場所で、共に歴史を学ぶ意味は何だろうか―。私はいま、そんなことを意識しながら日本近現代史を中心とする授業の仕方を模索しています。皆さんが自分の問題意識を持って歴史に向き合うことができるよう、少しでも多くの手がかりを提供したいと考えています。皆さんも、講義や演習でご一緒した際には、いま思っていることを教えてください。これから、どうぞよろしくお願いします。(国際文化学科准教授 金耿昊)

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