キャンパス日誌
【学生レポート】アジア・ユース・フォーラムが教えてくれたこと
まずはじめに言いたいのは間違いなく、「アジア・ユース・フォーラム(AYF)に参加してよかった」という言葉です。
AYFはただの“楽しい文化交流会”ではありませんでした。
私がAYFを知ったのは1年生のころでした。しかし、興味はあるけれど、行ったことのないアジア圏の国に行き、知らない人と文化交流をすることにはプレッシャーがあり、なかなか参加を決意できませんでした。
3年生になって友人も参加することが分かり、気が楽になって参加を決めました。そして、日本文化のプレゼンテーション準備も進み、出発の日が迫ってきたのですが、敬和祭でのサークル発表の準備で忙しかった私は、AYFへの熱が冷めてしまっていました。
そんな気持ちのまま韓国に着いたのですが、すぐに最初のチャレンジが私に降りかかりました。
はじめの2日間ルームメイトとなる人の写真を見たら、インドネシア人でイスラム教徒がするヒジャブをつけていたのです。
初めてイスラム教の人と関わるためとても緊張しましたが、私がやるべきことは分かっていました。それは”笑顔で話しかけ握手をする”ことです。
夜はルームメイトと互いの国の事情や今起こっていること、宗教やステレオタイプについて話し合いました。
彼女とはAYFから2週間以上たった今もSKYPEやLINEをしていて姉妹のような存在です。
AYFでは、それぞれの国についてさまざまなことを話し合います。夜まで文化の違いを学び、またアドバイザーによる民族相対主義や人種の共存についてなど興味深いレクチャーも参加し、違う価値観を持つみんなと話し合ったことは非常にいい経験でした。
このような時間はどの教科書や教授、メディアよりも重要で信頼性があり、日本に留まっていては分からない情報ばかりでした。
日韓事情が複雑な時代に韓国を訪れることができ、新しい刺激もありました。
韓国で行われる先生のためのコンフェレンスにてAYF参加者でプレゼンテーションをすることになり、私たちのグループは「アジア内における誤解とステレオタイプ」を発表することになりました。
準備期間はたったの3日間。
限られた時間で完成させなければならなかったので、みんなそれぞれ文化発表の準備や自由時間を犠牲にして準備に取り掛かりました。
テーマがあまりにも複雑でさまざまな意見があり、スクリプトやプレゼンテーションの構成を決めるのにかなりの時間がかかりました。
しかし一人ひとりが必死に取り組み、疲れているにも関わらず朝の3時過ぎまで文化の違いについて懸命に本気で議論し合うあの光景には感動しました。
たとえプレゼンテーションには関係ない「10代の妊娠」などについても、違う国同士で情報や意見を熱心に交換し、話し合いました。あれほど有意義で濃い時間はそれまで体験したことはありませんでした。
プレゼンテーションは大成功に終わりました。プレゼンテーション中、シビアな歴史的背景を持つカンボジアとベトナムの参加者がそれぞれの事実や誤解について話し合う前に「まずは握手をしよう」と言って握手をしたのを見て、自然と涙が出ました。
さまざまな歴史的背景や政治状況、宗教などにおいて国同士で話しにくいことはたくさんあります。それによってできた強大な壁の存在は、私にとってずっと負荷でありストレスでした。
このプレゼンテーションを通して、今まで国同士の間にあった、みんなが避けてきたもどかしい大きな壁がやっと取り壊されたことに、私は涙が止まりませんでした。
話すだけでは問題解決に直接つながりはしませんが、話すことで相手の気持ちを知り理解しようとすることはできます。
AYFの醍醐味はこれであると確信しました。
閉会式ではみんなが号泣しながら口をそろえて言いました。“I love you guys.”
1週間前に出会ったばかりの人にこんなに重い言葉を言うのはおかしいことですが、本当に言えるくらいに私たちの絆は深まっていました。友情なんかよりももっと深い、本当の家族のような絆です。
これは、ただ旅行で楽しい時間を共に過ごしてできたものではなく、互いが互いの文化や異なる価値観をシェアして“理解”し合い、協調したことによってできた強い絆です。
彼らの献身的な姿勢は本当に素晴らしく、アジアをよくする力になります。理想的ではありますが、“理解する”ことが平和につながると私は信じています。
AYFの1週間は私の人生にとって一番特別な時間であり、私の期待をはるかに上回るものでした。AYFへの参加は、人生で最高の決断でした。
第16回AYFは終わってしまいましたが、これが終わりではなくこれからが始まりなのです。
私の本当のAYFは、この宝物である経験を多くの人に伝えることで始まるのです。
AYF wasn’t just a fun intercultural exchange. Within only one week, we exchanged information, taught each other about our cultures, and deeply discussed ongoing inter-Asian issues until three in the morning regardless of how tired we were as a result of our packed schedule. Although communicating in English as a second language for all of us wasn’t easy sometimes, we all helped each other, and we overcame language barriers. We first listened to each other and contemplated complex cultural differences. Then we accepted the differences and tried to understand ourselves, which gradually led us to build a strong bond, like a family bond, and, finally, this week became the most amazingly significant and lovely week in my life. I was attracted to all of the different cultures; I burst into tears seeing how wonderful it is to respect the people of other countries when we all have distinct cultures. These experiences were more trustworthy and more valuable than any typical classroom lesson or textbook. I am grateful to have gained lessons and experiences that I probably would never have gotten in my country. Everyone’s dedication was inspiring, which made being at AYF an event that went far beyond my expectations and hopes. At the closing ceremony, all of us shed tears and said, “I love you, guys.” to people we had only known for one week.
My decision to participate in the AYF became my best decision. I made a new family of people from many other Asian countries. AYF 16 has finished, but telling my experiences, as an Asian, to other people is the start of my AYF. I sincerely appreciate Greg and Keiwa for providing me with such a precious time. (Masako Hoshino)
(英語文化コミュニケーション学科3年 星野昌子)