キャンパス日誌

満州開拓団のニッコウキスゲ ー友好と不戦のシンボルとしてー

敬和学園大学に入って、左手の貯水池のほとりに黄色い「ニッコウキスゲ」が咲きました。「ニッコウキスゲ」は高原や湿地に群生するユリ科の植物で、ハイキングなどで一面黄色く染まったすばらしい群落をご覧になったことのある方もいらっしゃるかもしれません。

敬和学園大学に咲いたこのキスゲは、66年前、現在上越市に住む野田良雄さんが中国東北部黒竜江省の旧「清和村」からタネを持ち帰り、以来自宅の田んぼで育てられたものを、本学教授の加納実紀代が株分けしていただいたものです。施設係で世話をして、先日見事に花開いてくれました。

敬和学園大学のキャンパスに咲くニッコウキスゲ

敬和学園大学のキャンパスに咲くニッコウキスゲ

 

一昨年、野田さんは、加納先生らとともに、新潟からの満州慰霊訪問団に参加しました。その折りに、野田さんは、ご自分の育てたキスゲの苗を持参して、ふるさと「旧満州・清和村」の大地に植えられました(その経緯は、加納実紀代著『戦後史とジェンダー』インパクト出版会 に収録)。 旧満州の「清和村」は、新潟からの満州開拓団の中でも最大の被害が出た開拓団です。この「満州」生まれのキスゲが、日中友好と不戦のシンボルとして、この地にしっかりと根付くよう、見守り育てていきます。

<「新潟日報」2007年5月23日朝刊でも紹介されていますので、ご覧ください。>