キャンパス日誌
【学生インタビュー】地域×学生による商品開発で私の福祉のフィールドが広がりました
粟島浦村でアマドコロという植物を使ったアイスクリームの商品開発を行いました。「ビジネス」と「福祉」は、地域の人たちの問題を解決するという意味で根っこは同じだということに気づき、一気にフィールドが広がりました。 (共生社会学科3年 鎌田舞)
敬和学園大学に入学したのは高校の先生に勧められたからだそうですね。
-- 「敬和学園大学は個性を伸ばしてくれる大学だから、君にぴったりだよ」と勧めてくれたんです。私は高校までは人から言われたことしかしない生徒だったんですけど、この大学に入学してからは、自分からいろいろなことにチャレンジできるようになりました。
そのチャレンジの一つが粟島浦村での「粟島プロジェクト」ですね。
-- はい。ゼミの趙先生が、粟島浦村の魅力の一つとしてアマドコロという植物に目をつけたんです。滋養強壮、美容効果などがあって、韓国では漢方としても親しまれています。私たちはそれまで粟島の人たちが気づかなかったアマドコロの魅力を有効利用して、アイスクリームの開発を行い商品化にこぎ着けました。
鎌田さんはアイスクリームのパッケージデザインを担当されたとか。
-- すでに先輩たちが商品を開発し試食まで進めてくれていました。その活動を引き継いで、私たちはオリジナルの商品パッケージを制作しました。敬和学園高校の美術の先生をお招きしてデザインを勉強するところからはじまり、「このパッケージで私たちは粟島の何を伝えたいのか」、目的やターゲットをしっかりと話し合いました。粟島の方々からも意見をいただいて、現実の地域課題について、たくさんのお話を聞くことができました。
実際に商品が完成して、どんな気持ちになりましたか?
-- 粟島の要素をふんだんに詰め込んだ思い入れのあるパッケージが完成して、すごくうれしかったです。今はこの経験を生かして、新たに加治川地域ともコラボして梅干しのパッケージ制作にもチャレンジしています。
商品づくりを通したビジネスの考え方は、他の学びにも役立っていますか?
-- 起業をするということは、地域の中に入っていくということなんだって気づきました。「ビジネス」と「福祉」は、地域の人たちの問題を解決するという意味で根っこは同じなんです。実際に現場に出向いて課題を見つけて、何ができるかを考え、その解決を目指す。そういう意味で、私はソーシャルビジネスの考え方を持った社会福祉士を目指したいと思いました。
粟島浦村のプロジェクトのほかにもいろいろな活動をしていますよね。
-- 国際文化学科のゼミを掛け持ちして国際法を学んだり、国際交流ファシリテーターの活動もやっています。これは、自分たちでワークショップの準備をして小・中・高校に国際問題を教えに行く取り組みです。この活動を通して、自分が話すことよりも、聞く力や意見を引き出す力、周囲の人たちと協調する力がついたと思います。
今の活動は、ご自身の将来につながっていくと思いますか?
-- いろいろな経験がみんな福祉の学びにつながると実感しています。これからは自分ができることを、社会の中でどう生かしていくのか、それを地域貢献にどうつなげていくのか、考えていきたいと思います。
担当教員から見た鎌田舞さんの成長
彼女のはじめての印象は、とにかく明るくて前向きだということ。自分に自信を持てず尻込みする学生もいる中で、何でも「やります!」と積極的。どんなに忙しくても彼女の口からノーの返事を聞いたことがありません。粟島浦村のプロジェクトでは、彼女は途中参加のような形でしたが、すぐに理解を深めてくれました。そして商品のイメージやターゲットについて活発に議論を深めて、最終的にパッケージ制作と販売までこぎつけてくれました。さて、ソーシャルビジネスとしてのプロジェクトはいよいよこれからが本題です。彼女はそれに取り組み、まとめ上げる役割を担うでしょう。私自身、大いに期待を寄せています。(共生社会学科教授 超晤衍)