チャペルのひびき

キリストに倣う

前期最後のチャペル・アワーにおいては、山田耕太学長先生が、「キリストに倣う」との題のもと、新約聖書「フィリピの信徒への手紙」の聖句により豊かなメッセージを語ってくださいました。私たちは身近な人間関係において、自分のことを一番に考え、また時に自分の立場を守るために、他者を非難し、貶めたりしながら生きてしまうことがあります。使徒パウロの愛したフィリピの教会もそうでした。ぎくしゃくした人間関係に陥ってしまっている人々に向かって、パウロは、へりくだり、互いに相手を自分よりも優れたものとしなさいと諭します。そして、その最良のモデルとして、私たち一人ひとりに人間としての尊厳を付与するために、へりくだりの生涯を歩まれたキリストの姿を提示したのです。他者(私たち一人ひとり)の命を輝かすために、この世界の闇の中にまで踏み入ってくださった方がキリストであると言い換えてもよいでしょう。それは、自分を輝かせるために人を陰に追いやってしまう生き方とは対極にある生き方です。キリストの愛によって与えられた自らの命の尊厳をかみしめつつ、自分以外の人にも神の愛により尊厳が与えられていることを覚え、敬意をもって隣人に対してゆくこと。他者の命を輝かすことを通して、自らの命をまっとうしてゆかれたキリストの歩みに倣いたいと思います。引き続くアッセンブリ・アワーにおいては、KEIWA Choirの学生たちが「キリスト教音楽」のクラスを受講した成果を豊かに分かち合ってくださいました。4人という少数メンバーによる合唱ではありましたが、数を補って余りある素晴らしいハーモニーでした。(下田尾 治郎)

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「キリストに倣う」 学長 山田耕太 先生
20180727チャペル・アッセンブリ・アワー3

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
公演 キリスト教音楽受講者によるコーラス KEIWA Choir
20180727チャペル・アッセンブリ・アワー4

<参加学生の感想>
感想1) 今年前期最後のC.A.H.で山田学長から「キリストに倣う」と題して、丁寧に詳しく学ばせていただきました。山田先生が仰ってくださった標語である“互いに相手を自分よりも優れた者と考えなさい”という言葉がとても印象に残りました。人間は互いに助け合い、喧嘩し合って生きている。人間一人ひとりは生き方が違う。相手と通じ合えず、支え合う人間も少なくありません。ですから、私は、支え合うだけではなく、人間の価値観も大切だと感じました。
感想2) 人に劣等感や優越感を抱くことは珍しいことではないと思います。人より劣っている、人よりできないと感じることがよくあります。この人とは対等でないと一度考えるとなかなか楽しんで過ごすことはできません。相手に合わせようとするのではなく、自分と他者を受け入れて共存してゆくのが大切だと感じました。山田学長の言われる“互いに相手を自分よりも優れた者と考える”とはそういうことだと思いました。
感想3) キリスト教コーラスはとても素晴らしかったです。四人でしたが、後ろまでしっかりと歌声が届いていました。キリスト教音楽の授業は5限で遅い時間まで練習して大変だったと思いますが、このような発表の機会が与えられているのは、がんばるよい目標になっていたことでしょう。聴いていてとても心地よかったです。