チャペルのひびき

あなたはあなたであってよい。

今週のチャペル・アワーも前回同様、チャペル講演のかたちで守られました。同性愛者であることを明らかにしつつ牧師として福音宣教のお働きをなさっておられる中村吉基先生(日本基督教団新宿コミュニティー教会)をお迎えして、LGBT(性的マイノリティーの方々)について、またそれらの方々が社会の中で置かれている状況について、またそうした方々への権利を守るための運動について知る機会を与えられました。まだ十分な理解を得られているとは言えないLGBTの人々の存在を心の内に置き直し、生きづらさを抱えながら生きておられる方々が少しでも生きやすい環境へと社会を変えてゆくための手助けをする者(アライ/ally)となれたらと思われた学生諸君も少なくないことでしょう。弱き立場におかれた人々(人間としての尊厳を奪われている人々)の傍らに寄り添う者となること。それこそ、大学の校歌にうたわれている敬和の精神であり、主イエスの歩みに従うことでもありましょう。「あなたは、あなた以外の何者になる必要もないのだ。ありのままのあなたにおいて神さまに愛されているのだから」とのメッセージをイエスは福音(喜びのメッセージ)として語られた方であったとも思います。引き続くアッセンブリ・アワーでは、Keiwa-signのメンバーによる報告がなされました。中村先生のお話しくださった状況が、私たちに深く関わる事柄であることを改めて知らされました。(下田尾 治郎)

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「LGBTとキリスト教」 新宿コミュニティー教会牧師 中村吉基 先生
20180119チャペル・アッセンブリ・アワー1

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
講話 「調査報告」 LGBT人権研究グループ Keiwa-sign
20180119チャペル・アッセンブリ・アワー2

20180119チャペル・アッセンブリ・アワー3

<参加学生の感想>
感想1) 私はこの大学に入学してから「LGBT」という意味と、それがそれほど理解されていないことを知りました。中村牧師のお話を聞き、同性愛であることで思い悩み自殺してしまう人や国の法律によって罪人となってしまうことを知り、それは驚きの内容でした。また、「ALLY」という存在を知り、自分もそのような存在になりたいと感じました。同性愛の人たちが安心して住めるような世の中を私たちはつくっていかなければならないと思いました。
感想2) 「人の数だけ幸せの数がある」。愛のかたちは人それぞれあって、その愛を人に侵されてはいけないと思った。自由と言いながら全然自由になっていない社会。LGBT関係でなくても、自分らしさをありのままに出せる社会にしていけたらどんな人も生きていきやすい社会になっていくと思う。自分らしさを他人に傷つけられるような社会は誰も幸せになれない。そこに気づいておかないといけない。同性愛ということだけで罰せられる国があるということを初めて知って、とても驚いた。
感想3) アッセンブリ・アワーでのKeiwa-signの報告で、この大学にも、差別だと気づかないで差別してしまっている人が多いかもしれないということが分かりました。私もしているかもしれないので、何が差別になるのかを自分が差別される立場になって考えたいと思いました。
感想4) 性について悩んで自殺をしてしまったのはとても辛いことだと思いました。LGBTやセクシュアルマイノリティの人は自分から告白しないと分からないので、言ってもらえるとうれしいと感じました。日本でも、もっと深くLGBTやセクシュアルマイノリティについて知ることは大切だと思いました。