チャペルのひびき

アライになること

山﨑ハコネ先生が「識別する知恵を与えたまえ」とのタイトルのもと、そのタイトルのもととなった20世紀のアメリカを代表するラインホルト・ニーバーの祈りに触れられながら、また、つい最近、ご自身の看取られた方の最期についてご紹介くださりながら、お話しくださいました。キリスト教信仰の立場から「死生学」を研究されておられる先生ならではのメッセージでした。続くアッセンブリ・アワーにおいては、LGBT人権研究グループKeiwa-signの学生諸君と先生方により「LGBTに関する学生意識調査結果報告」の発表がなされました。LGBTを明確に定義づけしてくださった後に、本学における調査結果をもとに、啓発的な説明を加えてくださいました。分かったつもりでいながら、実は、十分にはLGBTの方々のことを理解していなかったことを痛感する機会となりました。人(性の在りさま)は多様であり、その多様性のままにおいて、等しく、神さまに愛され、肯定されています。代表をしておられる虎岩先生が、理解者、支援者を意味するアライ(ally)になってくださいと語られました。LGBTの方々のアライになることも、今年度のC.A.Hの年間テーマとしてかかげた「隣人となること」の一つであることを強く気づかされた時間でした。(下田尾 治郎)

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「識別する知恵を与えたまえ」 准教授 山﨑ハコネ 先生
20161028チャペル・アッセンブリ・アワー1

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
講話 「LGBTに関する学生意識調査結果報告」 LGBT人権研究グループ Keiwa-sign
20161028チャペル・アッセンブリ・アワー2

20161028チャペル・アッセンブリ・アワー3

<参加学生の感想>
感想1) ニーバーの今日の言葉は何か問題が起こった時にいつも私を冷静にさせてくれます。ただあたふたするのではなく、神の前に静まるひと時を大切にすることを忘れず、祈りながら日々を過ごしていきたいと思います。識別するにも、受け入れるにも、変えるにも神が共にいてくださればこそ正しく行われると思います。
感想2) 性(別)というものは、あまりに当たり前過ぎて、深く考えることはありませんでしたが、性の差異にギャップを感じていたり、それを周囲から受け入れられない現状があることを国連のビデオメッセージで知り、拷問や死刑などが仕打ちのように存在する現実に、マイナスの衝撃を受けました。私たちは、性別の違いだけで生きている訳ではないことを、もっと知る必要があると感じる発表内容でした。
感想3) 今までなんとなくでしか知らなかったLGBTについて詳しく知ることができました。性同一性障害が精神障害でないということは正直知りませんでした。敬和で実施されたアンケートも興味深かったです。身近にLGBTに属する人がいるというのは驚きでした。あまりにも自分自身がLGBTのことを知らなさ過ぎて、恥ずかしいと思いました。自分には関係ないことと心のどこかで思っていたのだと思います。このような、Keiwa-signの活動は思いやりも感じられるし、素晴らしい学びだと思います。