チャペルのひびき

弱さの中に働く力

チャペル・アワーでは、山﨑ハコネ先生が新約聖書のパウロの言葉によりながら、またご自身のお姉さまのご様子に触れられながら、「弱さ」ということのもつ意義について解き明かしてくださいました。世間ではネガティブなレッテルの貼られてしまうことの多い、また個々人の人生にとって、できることなら拭い去りたいと思うようなものが「弱さ」であり、私たちは、できることなら、強くありたいと願いつつ生きる者です。ところが、聖書は、「弱さ」こそが力であることを伝えています。なぜなら、弱さ(弱き人、弱き時)の中にこそ神の力が、また善意に満ちた他者の力が、豊かに働くからだというのです。聖書は、現代社会を刻印づけている弱肉強食の原理とは異なる価値観が存在することを教えてくれる書物です。引き続く、アッセンブリ・アワーでは、新しく共生社会学科の教員となられた堀野亘求先生が、幼少期より今日に至るまでの、ご自身の歩んで来られたご生涯の歩みについて、お話しくださいました。すさまじいばかりの境遇にもかかわらず、よき師とのよき出会いに恵まれることにより、福祉の道へと導かれた先生の語られた真摯なお言葉は、多くの学生たちの心を打ったことでしょう。学生諸君一人ひとりにも、生涯を決定づけるような、マイナスをプラスに変えてくれるような、よき友、よき師との出会いが与えられることを切に祈ります。(下田尾 治郎)

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「力は弱っているときにこそ」 准教授 山﨑ハコネ 先生
20190531チャペル・アッセンブリ・アワー1

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
講話 新任教員スピーチ「今日できることを明日にのばす勇気」 准教授 堀野亘求 先生
20190531チャペル・アッセンブリ・アワー2

<参加学生の感想>
感想1) 厳しい家庭環境やいじめ、大学受験失敗などに負けることなく、今大学の先生になっているのはすごいと思った。このように成功できたのもいろいろな人との出会いがあったからなので、自分も先生や友達との出会いを大切にして、どんな困難にも負けないように生きていたいと思った。
感想2) 堀野先生の過去話はとても辛いものだと思いました。その辛い人生の中で多くの人と出会い、努力してきたことはすごいことだと私は思いました。私もこれからの人生がんばっていこうと思いました。“つらい”を“しあわせ”へ。
感想3) 私は「弱さ」について一人では生きていけず、苦悩や葛藤に追われるが、誰かがきっと救いの手を差し出すゆえ、自分一人ではなく、皆が支えてくれるのだと、心に響きました。私は、拒絶されたパウロに「与えられたトゲが、神へと導く必要なものである」とイエスの言葉を受け、互いに助け合い、他人にも意識して支えていこうと思います。
感想4) これほどまでにたくさんのことを経験している人に会えると思っていませんでした。「明日やろうはばかやろう」という言葉があります。今回の先生のお話は、その概念を覆すようなお話だったのかと思います。どんな人にも幸福と不幸の波はあるし、辛くてどうしようもないこともあります。でも将来は、いつかは幸せが巡ってくると信じて生きていくことが、自分の人生を左右するのかもしれません。希望を持つこと、幸せそうな顔が持つ力ってすごいなと思います。