チャペルのひびき
「面白い人生」への招き
チャペル・アワーでは、吉澤昭男先生(学校法人敬和学園監事)がご担当くださいました。先生は、旧約聖書「コヘレトの書」を通して、ご自身が信仰へと導かれたご経緯に触れながら、「若き日にあなたの造り主であられる神」に心を留めることの大切さを教えてくださいました。若き日の先生は、ご家庭の深刻なご事情もあり、「すべては空しい」との暗き思いを心の内に感じながら過ごしておられたとのことです。けれども、そのような日々があったからこそ、キリスト教信仰へと導かれたことを先生は回顧されます。同じ「コヘレトの書」の中には「天の下のすべてのことには時がある。…神さまのなさることは、時にかなって美しい」との言葉があります。絶望にさいなまれる暗き時があったからこそ、先生は創造主なる神を知る喜びの時へと導かれたといってもよいのでしょう。創造主を知ることとは、神さまの愛のまなざしの中にある私を見いだしてゆくことと。それはまた、私たち一人ひとりに、かけがえのない特別な人生が備えられていることを心に刻むことでもあるのです。引き続くアッセンブリ・アワーにおいては、土田雅穂先生(フードバンクしばた副代表)が、ご自身が携われておられる支援活動について詳しく教えてくださいました。明日をも知れぬ厳しい現実の中を歩んでおられる方々に手を差し伸べるご活動を、常識にとらわれることのない柔軟な発想により、またこれまで培ってこられた人脈を用いながら、先生は展開しておられます。そのような活動に携わってこられたご自身の人生を、先生は、「面白い人生」として、感謝をもって受け止めておられるのでした。「面白い人生」とは、わたしたち一人ひとりに神さまが備えてくださっておられる「特別な人生」とキリスト教的に言い換えてもよいでしょう。一人ひとりにそのような人生を備えてくださる神さまが知らされる場が、チャペル・アッセンブリ・アワーであることを心に留めていただきたく思います。(下田尾 治郎)
Ⅰ.チャペル・アワー
説教 「創造主に心を留めよ」 学校法人敬和学園 監事 吉澤昭男 先生
Ⅱ.アッセンブリ・アワー
講話 「一隅を照らす」 フードバンクしばた 副代表 土田雅穂 先生
<参加学生の感想>
感想1) 吉澤先生の“聖書の言葉に心を捉えられた”という言葉が印象に残りました。先生が高校2年生の時に神さまやキリスト教に出合い生きる希望を見つけてからの人生はいつも神さまの御言葉に支えられているのだなと感じました。「あなたがたは世の光である」の箇所は私も何度も聞いたことがあり好きな箇所だということを思い出しました。大学生になってから聖書に触れる機会が減ってしまったように感じているので、また読み返してみます。「神の愛にあふれている聖書」という表現がすてきだと思いました。土田先生のお話では“面白い人生を歩むこと”の大切さを学びました。土田先生が自ら「今とても面白い」とおっしゃていて、年を重ねても今が充実しているのはうらやましくて、私もそんな人生を歩んでみたいと思いました。貧困に悩んでいる方々が思ったよりも多くいることに驚きました。そんな方々に寄り添うことのできるフードバンクしばたの活動に興味を持ったし、困っている誰かの力になれるとてもすてきな活動だと思いました。改めて、幼いころから温かいご飯の食卓を作ってくれた家族に感謝しなければならないと思いました。自分はとても恵まれているのだと実感しました。日々を生きることも精一杯な人々がいらっしゃることをしっかりと受け止めて、自分にできることを行っていきたいです。人々が助け合える世界に貢献できるようになりたいです。
感想2) 大学に入学してから初めて、フードバンクの活動を知りました。厳しい条件の中で生活している人たちの実情に、かなりの衝撃を受けたことを覚えています。そして、それを支えることを生きがいとする人たちに感銘を受けたし、生きるとは助け合いなんだと強く感じました。お話の中で「究極の幸せは人に必要とされること」とありましたが、本当にそのとおりだと思います。自分の将来を考えるとき、何を指針にすればいいか分からなくなることがあります。しかし土田さんのお話を聞いて、誰かの助けになることをして、それを楽しいと感じられるような人生を送りたいと思いました。一人でも多くの人の支えになれるように、自分にできることを考え続けたいです。