チャペルのひびき

学びへの豊かな方向づけ

2022年度第1回目のチャペル・アッセンブリ・アワー(C.A.H.)を、新入生歓迎公開学術講演会として守りました。古代オリエント博物館館長の月本昭男先生を講師としてお迎えし「旧約聖書の現代的的意義」とのタイトルのもと、豊かな学識に基づく、深い洞察に満ちたお話を伺うことがゆるされました。「聖書」という古(いにしえ)の昔に書かれた書物が、現代の私たちにとっても、否、現代という時代に生きる私たちだからこそ、耳を傾けなければならない大切なメッセージを語り掛けてくれることを、先生は教えてくださいました。ご講演の最後には、新入生への贈りものとして、「旧約聖書」から「涙と共に種を蒔く人は、喜びの歌と共に刈り入れる」との詩篇126篇の言葉を紹介してくださいました。嘆きが満ち溢れるこの時代に踏み出さなければならない若人たちの胸の中で、希望に満ちた大きな励ましとなってこの聖句は響いたことでしょう。これからも、チャペル・アッセンブリ・アワーの時間を通して多くのよき言葉との出会いが皆さんに与えられますよう、願ってやみません。(下田尾 治郎)

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 新入生歓迎公開学術講演会「旧約聖書の現代的意義」 古代オリエント博物館館長 月本昭男 先生

<参加学生の感想>
感想1) 古事記との比較については、古事記が日本のみに言及しているのに対し、旧約聖書では世界中の人々について言及していて、そこが現代の人権や平等といった考え方の基礎になっているのではないかと思った。ミケランジェロの絵にあるような世界観は初めて見聞きしたので、独特な考え方を持った人は他にいるのか興味を持った。最後に贈られた聖句を胸に、大学生活を送りたいと思う。
感想2) 今までは、自分のしている生活とキリスト教は、そこまで大きなつながりはないと思っていた。しかし、天地創造物語に書かれていた「創造の6日と7日目の安息が1週間の根拠となった」ということや、エデンの園の物語に書かれていた「イチジクの葉で体を隠す」ことは、衣類を着用するという今の生活では当たり前の文化的な行為につながっていて、自分のしている生活にキリスト教は大きく影響していると初めて学ぶことができた。
感想3) キリスト教の批判もあったけれど、やはり自然破壊は人間のせいなのだと分かりました。そのために一人ひとりが行動していくべきだと考えます。ミケランジェロは、エデンの園はどういうイメージでどういう考えだったのだろうとすごく気になりました。けれど、エデンの園は現実の人間の世界を映し出しているということは、ミケランジェロはそのことを先読みし、あのように描いたのではないかと思いました。
感想4) 聖書箇所に出てきた隣人を愛すですが、私はこの言葉を常に意識して生活しています。イエスは、この言葉にどんな思いを持っていたのか今まで知りませんでしたが、今日の話で知ることができました。仲間内だけでなく、誰でも傷ついている人や悲しんでいる人を人種・宗教関係なく隣人として助けること、これこそが隣人を愛することにつながる。私は、この考え方がとてもステキだなと思いました。今の時代、私たちが助けようと思っても助けられない、無力だと感じることが多くあります。そんな私たちにイエスは、祈りというものを教えてくれました。祈りをささげることで、隣人とつながる。私は礼拝の一つの意味としてこれがあるのかなと思いました。今日の話を聞いて、礼拝の大切さを改めて確認できたと思います。