木を育てるように(2代目学長 新井明)

2007年5月18日号[2007-05-18]

今春の新入生歓迎公開学術講演会には斎藤和明氏にお出でいただいた。学校法人明星学苑の理事長、ICU名誉教授であられるお方。リベラルアーツ教育の意味を、一年次生を中心の聴衆に語っていただきたかった。「リベラルアーツの土壌の上に咲く花」というタイトルがいい。リベラルアーツとは、もともとギリシア時代の「七学科」――文法、論理学、修辞学、算数、幾何、天文、音楽――のことだ。それは(1)生き生きとした思いで考えつづけることと、(2)美しさを感じつづけることを教えてくれる。この生き方が荒れ地を耕し、隣人を愛する心を生む、と語りつつ、氏は詩人W.H.オーデンの「美術館」の訳詩を披露された。
氏はあとで、E.ゴードン『クワイ河収容所』(ちくま学芸文庫)をくださった。氏の訳である。キリストへの信仰と、詩を解する知性とが、著者に、死と隣りあわせの世界を生き抜くことをゆるしたのだ。その文庫本の表紙裏に「新井明先生/摂理にここまで案内されてきた」ことに思いをいたしつつ、「感謝とともに」と記してあった。詩人ミルトンのことばである。共通の思い出をいだきつつ、この40年を歩んできたのだ。(新井 明)

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