学長室だより

2004年6月25日号

もう45年もまえのことだ。鈴木弼美(すけよし)校長のお招きで山形県小国町の基督教独立学園高等学校を、初めてお訪ねした。米坂線の伊佐領駅で降りて、木造の小さな校舎をお訪ねしたのである。現校長・助川暢(のぶ)先生にお会いしたのも、そのときである。
その助川先生が6月11日のチャペル・アッセンブリ・アワーに来てくださり、「小さいことを心を込めてつづけよう」というお話をしてくださった。世の中には人の目に付かない小さなことはたくさんある。それをこつこつとつづけて、日の目にあたらない人びとを支えてゆこう。そこには就職難などというものはない。
創立者・鈴木弼美がモットーとしたことばに、「読むべきは聖書、学ぶべきは天然、為すべきことは労働」がある。もともと鈴木の恩師内村鑑三のことばであり、榎本栄次先生が敬和学園高校に「労作」のアイデアを入れたひとつの契機はここにあったという。新発田からは東に飯豊(いいで)山系を仰ぐ。その向こう側に助川先生の小さな学校がある。(新井 明)