ダビデの物語(3代目学長 鈴木佳秀)

ダビデの物語・ダビデ王位継承史その14[2012-07-13]

「ダビデは使いの者をやって彼女を召し入れ、彼女が彼のもとに来ると、床を共にした。彼女は汚れから身を清めたところであった」(サムエル記下11章4節)と、テキストは二人を描写しています。ウリヤの妻バト・シェバは王によって宮廷に召し出されたのです。彼女の心の揺れは描かれていません。王の命令に従ったことがうかがわれるだけです。人妻が相手であるため姦通罪が成立します。夫ウリヤがラバを包囲する戦いに出陣している間の事件でした。王であっても姦通であれば二人とも死罪でした。「女は家に帰ったが、子を宿したので、ダビデに使いを送り、『子を宿しました』と知らせた」(4節~5節)とあります。「彼女は汚れから身を清めたところであった」という言葉から、身ごもるタイミングについて生理的な知識があったことがわかります。ダビデはどう処理しようとしたのでしょうか。ダビデ王位継承史の主題として描かれている事件なのです。
 「ダビデはヨアブに、ヘト人ウリヤを送り返すように命令を出し、ヨアブはウリヤをダビデのもとに送った。ウリヤが来ると、ダビデはヨアブの安否、兵士の安否を問い、また戦況について尋ねた。それからダビデはウリヤに言った。『家に帰って足を洗うがよい。』」(6節~8節前半)とあり、王が何を考えていたのかがわかります。それは、巧妙なるもみ消しでした。(鈴木 佳秀)

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