ダビデの物語(3代目学長 鈴木佳秀)

ダビデの物語・ダビデ王位継承史その59[2013-05-31]

「フシャイはアブサロムに、『今回アヒトフェルが提案したことは良いとは思えません』と言い、こう続けた。『父上とその軍がどれほど勇敢かはご存じのとおりです。その上、彼らは子を奪われた野にいる熊のように気が荒くなっています。父上は戦術に秀でた方ですから、兵と共にはお休みにならず、今ごろは、洞穴かどこかを見つけて身を隠しておられることでしょう。最初の攻撃に失敗すれば、それを聞いた者は、アブサロムに従う兵士が打ち負かされた、と考え、獅子のような心を持つ戦士であっても、弱気になります。父上も彼に従う戦士たちも勇者であることは、全イスラエルがよく知っているからです。』」(サムエル記下17章7節〜10節)
ダビデが送り込んだフシャイは、このタイミングを待っていたかのようです。彼の論立ては見事です。「王一人を討ち取ります」というアヒトフェルの提言に対し、それが極めて難しいことを口にしつつ、ダビデ軍は傭兵からなる精鋭部隊であることに触れ、追討軍をすぐに差し向けて、もし失敗すれば全軍の士気が落ちてしまうというのです。ダビデ軍に時間的なゆとりを与えようと画策しているのは、明らかです。アヒトフェルの提言は、戦略上、最も有利なタイミングを利用すべきだという点にすべてがかかっていたのですが、フシャイは、ダビデが戦術に優れた方でしたという言い方で、聞き手の不安をかき立て、彼を討ち取ることに恐らく失敗する、と提言したのです。(鈴木 佳秀)

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