ダビデの物語(3代目学長 鈴木佳秀)

ダビデの物語・ダビデ王位継承史その76[2013-09-27]

「王は立ち上がり、城門の席に着いた。兵士は皆、王が城門の席に着いたと聞いて、王の前に集まった。」(サムエル記下19章9節a)叙事詩は、王がどのような演説をしたかについては伝えていません。顔を洗って兵士たちの前に出たダビデは、王として戦いの勝利を称えたのではないでしょうか。王に従った者たちにはほっとする瞬間であったかもしれませんが、王の悲しみを知っていたので、形式的に歓喜の叫びをあげたことでしょう。アブサロムが戦死し、ダビデが王位に復帰することが決まったのです。
「イスラエル軍はそれぞれ自分の天幕に逃げ帰った。イスラエル諸部族の間に議論が起こった。『ダビデ王は敵の手から我々を救い出し、ペリシテの手からも助け出してくださった。だが今は、アブサロムのために国外に逃げておられる。我々が油を注いで王としたアブサロムは戦いで死んでしまった。それなのに、なぜあなたたちは黙っているばかりで、王を連れ戻そうとしないのか。』」(下19章9節b〜11節)諸部族の民は、この戦いの結果をどう受けとめるべきか、対応の仕方を間違えないよう、様々に思いをめぐらせていたことは事実です。ダビデに敵対してアブサロムの即位に賛同し、追討軍の一員として戦った諸部族の民は、現実的に言えば、反逆罪で追討されるはずです。かつてダビデと共に出陣したことを持ち出すのは、過去に遡ってでも、関係を修復したいと考えたのでしょう。生き残りのためとはいえ、何というご都合主義でしょうか。この点では今も昔も変わりません。(鈴木 佳秀)

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