学長室だより

2002年1月11日号

2002年の新年おめでとう。どんなお正月でしたか。どんな新たな決意をしましたか。
つい先月、12月12日に「子どもの読書活動の推進に関する法律」という面白い法律が発効しました。第2条の中に「読書活動は、子どもが、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身につけていく上で欠くことのできないもの」と規定しているのは、まったくその通りで、反論の余地はありません。しかし読書活動の推進は国が法律できめるようなことでしょうか。僕にはそれが疑問です。僕自身振り返ってみると、子どもの頃、本が面白いから読んだのであって、国が奨励したから読んだのではありませんでした。今や国は小学校や中学、高校の教育能力に絶望のあまり、こんな法律を作ったのかもしれません。4月23日が「子ども読書の日」ときまりました。これはシェイクスピアの誕生日・命日とされている日です。もう子どもではない大学生諸君はこの日、ぜひシェイクスピアを読んで下さい。(北垣 宗治)