学長室だより
2002年11月22日号
先週、工学博士であるM先生の講演を聞いていて、非常に考えさせられたことがありました。先生は言いました。「日本では親たちが子供にむかって、他人に迷惑をかけてはいけないと、繰り返し注意しますが、それでは、他人に迷惑をかけない限り、子供は何をしてもよい、ということになりませんか。それよりも遙かに大事なことは、自分自身に迷惑をかけないことでしょう」と。M先生の言われる通り、私たちは自分に迷惑をかけないという点でなんと鈍感なことでしょうか。つまり問題は、自分自身をコントロールできるかどうか、という点に収斂していきます。M先生の言葉は、聖書の中の「自分を愛するように、あなたの隣り人を愛しなさい」という言葉に直結するように思われてなりません。(北垣 宗治)