学長室だより

食べてはいけないもの・その2

食べてもよいものと、忌み嫌うべきもののリスト(申命記14章3節~21節等)は、動物の他に水の中にすむもの、魚類にも触れています。
食べてもよいのは、すべてひれと鱗があるもの(9節)で、ひれと鱗がないものは食べてはならない(10節)とされています。穢れているからというのですが、その中にイカやタコが含まれます。ユダヤ人はお寿司が大好きですが、普通イカやタコは食べません。これでは、貝やカニ、ウナギもだめですね。
鳥の肉についても言及されています(11節~18節)。ほとんどは清い鳥とされ食べてもよいとなっていますが、食べてはいけないもののリストには、鷲、禿鷲、黒禿鷲、トビ、ハヤブサ、ノスリやカラス、ダチョウ、夜鷹、カモメ、鷹、ふくろう、みみずく、白フクロウ、ペリカン、野雁、こうのとり、サギ、やつがしら、こうもり等が含まれます。
野雁まで含まれているのは不思議ですが、穢れているとする識別原理は分かっていません。伝統が確立されてしまうと、時代と共に祭儀的理由は忘れられたのかもしれません。古代の人々が、シンプルな食生活を維持していたことは分かっていますが、悪食を退けていたのではないでしょうか。(鈴木 佳秀)