ルツとナオミ・その28
ルツを妻として迎え入れるというボアズの言葉は、神と会衆の前での宣言でした。「そうです、わたしたちは証人です。あなたが家に迎え入れる婦人を、どうか、主がイスラエルの家を建てたラケルとレアの二人のようにし...
ルツを妻として迎え入れるというボアズの言葉は、神と会衆の前での宣言でした。「そうです、わたしたちは証人です。あなたが家に迎え入れる婦人を、どうか、主がイスラエルの家を建てたラケルとレアの二人のようにし...
「どうぞあなたがその人をお引き取り下さい」と告げて、親戚の男は履物を脱ぎボアズに渡しています。「かつてイスラエルでは、親族としての責任の履行や譲渡にあたって、一切の手続きを認証するためには、当事者が自...
親戚の男が「それではわたしの嗣業を損なうことになります」(ルツ記4章6節)と答えていますが、どういう意味でしょうか。嗣業とは、イスラエルの神から託された、先祖伝来の土地を維持管理する事業を意味します。...
「それではわたしがその責任を果たしましょう」(ルツ記4章4節)と親戚の人は答えています。即座に「あなたがナオミの手から畑地を買い取るときには、亡くなった息子の妻であるモアブの婦人ルツも引き取らなければ...
「一族エリメレクの所有する畑地」という言葉から、土地が私有財産であったとみなすことはできません。古代イスラエルでは、土地の私有化は制度として成立しなかったからです。土地は部族内に限りその権利を売ること...
「ボアズは町の長老のうちから十人を選び、ここに座ってくださいと頼んだので、彼らも座った」(ルツ記4章2節)と聖書は語ります。町の長老たちがこの集会の責任を担っていたのです。地域共同体に中央から裁判官が...
ルツを家に帰した後、ボアズは時を移さず行動を起こしています。麦打ち場から町に戻り、門のところへ上っていったと聖書は語ります(ルツ記4章1節)。町の門の内側に広場が設けられていました。当時それがすべての...
人の見分けのつかない早朝に立ち上がったルツに、ボアズは大麦6杯をはかって彼女の肩掛けの中に入れ、ルツに背負わせ、町に帰らせたと聖書は語ります(ルツ記3章14節~15節)。ナオミのところに無事に戻ったル...
町のおもだった人がルツを「立派な婦人であること」を知っていたと伝えています(ルツ記3章11節)。「立派な」の原語はハイルで「力、能力、富、軍勢」などの意味があります。ギッボレー・ハイル(「勇士」の意)...
ボアズはルツの申し出を受けいれたのですが、レヴィラート婚という制度の枠内でどのように責任を果たせるのでしょうか。ルツを愛するという気持ちだけで、すべての問題を解決できるわけではないのです。 「今夜はこ...