学長室だより

大木金平著『郷土史概論』をいただきました

大学進入路脇の田んぼの稲穂も頭を垂れて黄金色に輝いてきました。九州では早いもので8月中旬頃から早場米の稲刈りが始まっていました。

前期の6月に塩津潟教育研究所の伊藤國夫先生から、1921年(大正10年)に発行された大木金平著『郷土史概論』をいただきました。新発田市立図書館で開催されていた新発田市遺跡発掘展でガラスケース越しにこの本を見たことを告げると、翌日に復刻本を献呈してくださいました。

2016.9.2学長ブログ

伊藤國夫先生からいただいた大木金平著『郷土史概論』

 

紫雲寺町の歴史を塩津潟の干拓を中心に古代から現代に至るまでを877頁に収めた大著です。古地図もふんだんに用いています。大木金平は新発田町(当時)出身で紫雲寺小学校・米子小学校で29年間教え、長く校長職にありました。当時の小学校校長の教育の質の高さを改めて思わされます。

九州・佐賀の家内の実家に帰省する折に、さまざまな遺跡を見て廻ってきました。今年は魏志倭人伝の伊都国があった福岡県糸島市の伊都国歴史博物館と付近の遺跡も訪れました。そこでは日本の高校で唯一博物館がある県立糸島高校の郷土博物館60周年記念展が開催されていました。伊都国の中心地の一つの平原遺跡などは糸島高校の教師であり考古学者であった原田大六先生と大神邦博先生が歴史部の生徒たちを率いて発掘に携わりました。当時の高校の先生のレベルの高さを思わされます。また、日本の歴史地理学の土台を築いた旧安田町出身(現、阿賀野市)の吉田東伍著『大日本地名辞書』も、郷土の地名の探求から始まったことを思い出しました。(山田 耕太)