学長室だより

東日本大震災から10年経ちました

三寒四温の寒暖の気温差が大きい日が続いています。庭の雪も解け、雪囲いを外しました。今年は大雪で枝が折れている木が例年になく多くあり、雪の重みに耐えて木々が互いに支え合ってきたことが分かりました。

昨日で東日本大震災から10年目を迎えました。2011年の前期授業が終わった7月に、仙台に避難している南三陸町の知り合いのご老人をお見舞いし、被災地を訪れました。その光景が目に焼きついています。

日和山公園から見下ろした石巻の町は、病院以外はすべてが撤去されて見渡す限り家々の土台以外は何もありませんでした。女川では高台の病院駐車場から真下の中心地を見下ろすと、4階建てのビルが3つも4つも根こそぎひっくり返って横たわっていました。近くの雄勝では2階建ての小さなビルの上に大型バスが乗っかったままで落ちてきそうな光景でした。どこも人がおらず誰も住んでいませんでした。小さな漁港の浜辺に降りてみると、全くの手つかずで、震災当時の姿のままでした。そこに刑務所の囚人車が入ってきました。ボランティアの来ない所の作業は、受刑者の方々がしている現実を知らされました。

「災害は忘れたころにやってくる」と言います。三陸地方では1896(明治29)年の明治三陸地震、1933(昭和8)年の昭和三陸地震、1960年(昭和35)年のチリ地震津波、そして2011年(平成23年)の東日本大震災と30年から50年に一度と、かなり周期的に大津波に襲われています。「備えあれば憂いなし」と言います。絶えず災害に対して備えていたいと思います。被災地の復興と人々の安全安心のために祈ります。(山田 耕太)

2021.3.12学長ブログ

東日本大震災直後から、学生たちは復興支援のボランティア活動に取り組みました