学長室だより

災害に立ち向かう人間

8月も半ばを過ぎると、日中には夏の群雲も立ち上りますが、朝夕には秋の虫の音が聞こえ始め、赤トンボが飛び始めます。この夏も各地に線状降水帯が発生し、大きな災害をもたらしています。

7月末の村上・関川地区での水害に対して、本学の学生ボランティアが派遣されました。18年前の7.13三条水害で、私も学生と一緒に被災家屋の泥だしをして住民に感謝されたこと、中越地震の災害ボランティア活動に参加したことを思い出します。東日本大震災の時には福島から新発田・聖籠に避難された1000人以上の方々の支援を学生と教職員有志がしたこともありました。福島の復興も困難の中で進んできました。

関川村へ学生ボランティアが派遣されました

関川村へ学生ボランティアが派遣されました


 

この夏は家内の実家のある佐賀から、さほど遠くない熊本も見てきました。2016年4月に震度7の地震が2回起きた熊本地震によって大きく崩れた熊本城の天守閣も6年たって見事に元の姿に復興していました。城内の城の歴史を見ると一度ならずこのような災害に遭い、その都度復興してきたことを知りました。まだ数多く残る崩れた石垣や城郭の建物は完全な復興の長い道のりを感じさせます。

以前、学会の折に訪れたキャプテン・ジェーンズ邸の2階建ての洋館は、熊本地震ですべて崩れて、がれきの山となっていたことを写真で知りました。これは大河ドラマ「八重の桜」でも知られる同志社の源流を形成していく熊本バンドの学生が教育を受けた建物です。まだ公開には至りませんが、これもこの8月に見事に原初の姿を取り戻して、以前の夏目漱石邸の隣接地から見学しやすい近接地に移されていました。これら2つの建築物を見て、災害に立ち向かう人間の強い意志と協力し合う力を感じました。(山田 耕太)