学長室だより

最終講義を終えて

遠い山はすっかり雪に覆われていますが、先週までは街中にほとんど雪がない珍しい1月でした。

先週16日夜には、ロータリークラブの今年最初の会合の新年会が3年ぶりに開かれました。17日の午後には私大連の今年度第2回学長会議があり、オンラインで講演のみ参加しました。テーマは文部科学省が進める文理横断教育とそれに備えた入試改革でした。日本の産業界などの要請に基づく文理横断教育のネックが高校の文系・理系の区別で近いうちにそれを撤廃し、大学でも情報系の科目等で数学的思考を養うことを文部科学省が推し進めていきます。理系のない小規模地方大学が倣うのは無理で、敬和学園大学らしい道を歩んでいくべきと思いました。

20日のチャペル・アッセンブリ・アワー(C.A.H.)で、クリスマス燭火礼拝が大雪のためできず延期したキリスト教音楽受講者による讃美の後で、最終講義「なぜ新約聖書を学ぶのか-行き先を知らない旅人として」を語りました。その後で、C.A.H.の後期エッセイ・コンテストの授賞式とケーリ・ニューエル奨学金の授与式を執り行いました。

最終講義では「なぜ新約聖書を学ぶのか-行き先を知らない旅人として」を語りました

最終講義では「なぜ新約聖書を学ぶのか-行き先を知らない旅人として」を語りました


 

ケーリ・ニューエル奨学金とはアメリカの財団から毎年贈られてくる奨学金で、本学ではC.A.H.のオルガニストに贈呈されています。ケーリとは同志社大学のアーモスト館など戦後活躍した宣教師です。その大叔父のニューエルは明治時代に私立長岡学校(県立長岡高校の前身)や北越学館で活躍した宣教師で、本学のニューエル館はこの人の名前を取っています。山本五十六も少年時代はニューエルの感化を受けました。本学初代学長の北垣宗治「自伝を通して見たH.B.ニューエル」(『敬和学園大学人文社会科学研究所年報』第4号〔2006年〕165-178頁)には実に興味深いことが書いてあります。(山田 耕太)