キャンパス日誌

【卒業生リレーエッセイ27】~大学職員として活躍する大久保史枝さん~

人を理解する力と思いやり

大久保史枝

1995年度卒業 大久保史枝さん


学生生活の中で一番夢中になり、力を入れたのは、神田より子先生のゼミでの学びでした。神田先生のご専門は日本民俗学・文化人類学です。一言で言えば、違う文化についての研究です。神田先生からは、文化を知り、それを説明できるようになるために、丁寧に指導していただきました。
神田ゼミでは、地域のことを知るために、3・4年生共同で佐渡島に泊まりがけのフィールドワークに行きました。地域の方たちに直接インタビューをしたり、行事・祭りに参加しました。フィールドワークを終えると調査したことをまとめてゼミで報告し、さらに論文のテーマに合わせて次の調査も行いました。私は、この研究の時間を最も愛しました。
大学では他に、ボランティアや英語に力を入れていました。
これまで仕事はいくつも変わりましたが、現在は新潟県南魚沼市にある国際大学の入学・広報事務室で仕事をしています。国際大学には40カ国を超える国籍の学生さんたちが在学していて、大学院大学ということもあり、インターナショナルでアカデミックな環境です。ここでは教師陣を含めてほとんどの人たちが母国語ではない英語を共通言語として交流します。

大久保史枝

国際大学のカフェテリアにて


神田ゼミで異文化の勉強をしたことがここでの生活にとても役立っています。相手の反応に違和感を感じた時には、相手の背景を想像し、どうしてなのかと理解できるように持っていけるコミュニケーションを心がけています。最も大切なのは言語文法の完璧さではなく人間同士の理解です。敬和学園大学のボランティア活動に代表されるホスピタリティ、英語、そして異文化理解という柱から、人への理解と思いやりという基本を学べたように思います。
在学生の皆さん、これから入学を考えている高校生の皆さん、ぜひ、敬和の環境の中で自分にとっての「これ」を確立して学園生活を楽しんでください。(1995年度卒業 大久保史枝さん(旧姓:町野))