キャンパス日誌

2023年度 国際文化学科卒業論文・卒業制作発表会を開催しました

国際文化学科の卒業論文・卒業制作発表会を開催しました。
この発表会は4年間の演習の成果を発表し、来場者からのフィードバックを得る貴重な機会です。

「がんばりました」卒業論文・卒業制作発表会

「がんばりました」卒業論文・卒業制作発表会

 

今年度は、歴史探究コース、多文化理解コース、国際社会コース、情報メディア・コースのすべてのコースから12人の学生が報告会に参加し、4年間の学びの成果を発表してくれました。

 

卒業論文発表

平瀬優羽さん「中国の環境政策について」(房文慧 教授)

平瀬優羽さんは、電気自動車産業と再生エネルギーの促進政策から中国の環境政策について考察をしたものでした。中国における政策の現状と問題点を見つめながら、日本における電気自動車と再生エネルギーの普及に向けての課題を整理しました。

平瀬優羽さん「中国の環境政策について」(房文慧 教授)

平瀬優羽さん「中国の環境政策について」(房文慧 教授)

 

小堀快斗さん「プラスチックによる海洋汚染問題について」(房文慧 教授)

小堀快斗さんは、マイクロプラスチックによる海洋汚染の現状をまとめた上で、日本と海外におけるプラスチック規制の取り組みを論じました。さらに日本においてなぜプラスチックのリサイクルが進まないのかについて考察した上で、今後取り組むべき課題が提起されました。

小堀快斗さん「プラスチックによる海洋汚染問題について」(房文慧 教授)

小堀快斗さん「プラスチックによる海洋汚染問題について」(房文慧 教授)

 

五十嵐極武さん「ポリコレによるエンタメ産業への影響」(富川尚 教授)

五十嵐極武さんは、「ポリティカルコレクトネス」がエンターテイメント産業に与えた文化的影響についてまとめました。マイノリティや弱者に配慮した表現が、スポーツや映画、ゲームなどの娯楽に好ましくない影響を与えているという視角から、論争的な問題提起を試みました。

五十嵐極武さん「ポリコレによるエンタメ産業への影響」(富川尚 教授)

五十嵐極武さん「ポリコレによるエンタメ産業への影響」(富川尚 教授)

 

玉野涼裕さん「時代変化によって引き起こされた若者の車離れとその対策」(富川尚 教授)

玉野涼裕さんは、現代日本の「車離れ」をいくつかの統計から確認し、経済的要因・ライフスタイルの変化・環境問題への意識という3つの側面から、改善策を示しました。用途に合わせたさまざまな使い方を通して、自動車の魅力を知ってもらうことが重要となるそうです。

玉野涼裕さん「時代変化によって引き起こされた若者の車離れとその対策」(富川尚 教授)

玉野涼裕さん「時代変化によって引き起こされた若者の車離れとその対策」(富川尚 教授)

 

渡邉悠介さん「マレーシアとシンガポールの民族対立と格差是正政策」(富川尚 教授)

渡邉悠介さんは、マレーシアとシンガポールという2つの国家の民族政策を論じました。同じマレー半島に所在し、マレー人と華人という民族集団を抱えた多民族国家でもある2国の政策を、イギリスによる支配、日本による軍事占領、脱植民地化と独立という歴史的経緯と共に論じました。

渡邉悠介さん「マレーシアとシンガポールの民族対立と格差是正政策」(富川尚 教授)

渡邉悠介さん「マレーシアとシンガポールの民族対立と格差是正政策」(富川尚 教授)

 

卒業論文・制作発表

相澤拓実さん「地域資源を活用した社会関係資本の構築」(松本淳 准教授)

相澤拓実さんは、きものウォーク・まちなかキッズパーク・月岡マラソンなど、ゼミ活動を通じて実践した新発田での取り組みから、地域資源を社会関係資本へとどのように結び付けていくかを省察しました。失敗した事例からも、今後の教訓を導きだす姿勢が印象的でした。

相澤拓実さん「地域資源を活用した社会関係資本の構築」(松本淳 准教授)

相澤拓実さん「地域資源を活用した社会関係資本の構築」(松本淳 准教授)

 

三浦王暉さん「日本プロレス界はどの様にアップデートされたのか」(松本淳 准教授)

三浦王暉さんは、新日本プロレスを事例に、近年におけるビジネスモデルの変化を、経営面からメディア戦略、レスラーの変化などさまざまな側面からまとめました。会場には往年のプロレスファンも多く、アントニオ猪木のプロレスをどう見るかなど、熱心な質問が寄せられました。

三浦王暉さん「日本プロレス界はどの様にアップデートされたのか」(松本淳 准教授)

三浦王暉さん「日本プロレス界はどの様にアップデートされたのか」(松本淳 准教授)

 

宇賀田雛帆さん「新潟ブルースを作った兄弟―山岸兄弟―」(一戸信哉教授)

宇賀田雛帆さんは卒業制作として、ご当地ソング「新潟ブルース」を作詞・作曲した山岸一二三さん、山岸之起さんへの取材記録を映像作品としてまとめました。新潟の戦後文化史の一コマをまとめた貴重なドキュメンタリーとなりました。

宇賀田雛帆さん「新潟ブルースを作った兄弟―山岸兄弟―」(一戸信哉教授)

宇賀田雛帆さん「新潟ブルースを作った兄弟―山岸兄弟―」(一戸信哉教授)

 

清水晶さん「エーリッヒ・フロムの愛概念から見る教育愛」(井西弘樹 専任講師)

清水晶さんはエーリッヒ・フロムの「愛」の概念を、教育をめぐる人間関係に応用することを試みました。自分を保ったまま能動的に与える「愛」を、子どもを未来につながる存在として認め、「愛するから愛される」という関係を目指す修練の中で実現するものとして位置づけました。

清水晶さん「エーリッヒ・フロムの愛概念から見る教育愛」(井西弘樹 専任講師)

清水晶さん「エーリッヒ・フロムの愛概念から見る教育愛」(井西弘樹 専任講師)

 

岩崎遥さん「イエスとパウロの比較から見たキリスト教の女性観」(下田尾治郎 教授)

岩崎遥さんは、現実の教会共同体においても女性蔑視的な表現が残ることをふまえて、新約聖書を題材にイエスやパウロの女性観を辿りました。そして、イエスには性差別の意識を確認できる箇所がなく、パウロにある女性蔑視もすべての時代に普遍的なものではないと結論しました。

岩崎遥さん「イエスとパウロの比較から見たキリスト教の女性観」(下田尾治郎 教授)

岩崎遥さん「イエスとパウロの比較から見たキリスト教の女性観」(下田尾治郎 教授)

 

佐藤虹希さん「新潟県における地方競馬の廃止」(金耿昊 准教授)

佐藤虹希さんは、新潟県における地方競馬の歴史をたどりながら、なぜ新潟県競馬は2001年に廃止することになったかをまとめました。あわせて、現在の地方競馬のレベルは向上し、中央競馬にも勝負できる実力を備え始めているとも、近年のレースを紹介しながら言及しました。

佐藤虹希さん「新潟県における地方競馬の廃止」(金耿昊 准教授)

佐藤虹希さん「新潟県における地方競馬の廃止」(金耿昊 准教授)

 

藤井みさおさん「戦時下における聾教育の実状」(金耿昊 准教授)

藤井みさおさんは、アジア太平洋戦争下におけるろう教育の経験を、子どもの日記などの資料を通じて辿りました。すべてが戦争のために使われる社会の中、生きるための支えあいと共に、障がいを抱えながらも「臣民」として生きようとする当事者の姿が紹介されました。

藤井みさおさん「戦時下における聾教育の実状」(金耿昊 准教授)

藤井みさおさん「戦時下における聾教育の実状」(金耿昊 准教授)

* 写真キャプション、()内は指導教員

 

発表20分、質疑応答10分という短い時間でしたが、いずれも学生たちの努力がよく見える発表となりました。またそれぞれのテーマから、現在の私たちの社会が見えてくるようでした。発表には熱心な質問やコメントが寄せられ、最後は大きな拍手が送られました。発表した学生の皆さん、お疲れさまでした。よい報告をありがとうございました。(国際文化学科准教授 金耿昊)

発表学生と指導教員・参加者で記念撮影

発表学生と指導教員・参加者で記念撮影

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