キャンパス日誌

【退職のごあいさつ】学生諸君と教室で出会うのが「一番の楽しみ」でした(延原時行)

1991年4月の大学開学当初から2008年3月31日までの17年間にわたって本学に多大な貢献をしてくださいました延原時行先生(比較宗教学)からの退職のごあいさつをお届けします。

人の生涯は、予想がつきません。まだ米国宗教学会の座長として東西哲学対話に精魂傾注していた1989年に同志社大学の恩師竹中正夫先生の国際電話をクレアモントでいただく。続いて初代学長北垣宗治先生の招聘状をお受けする。15年にわたる欧米での活動(うち1年はルーヴァン大学哲学部)を切り上げて、急遽1991年の春、人文系キリスト教主義大学敬和を立ち上げるため、哲学・神学の教授とチャプレンの二重職に就任したのでした。

あれからもう17年。まるで何かのスポーツに打ち込んだような躍動感のある幾星霜でした。まだ正式チャペルのない敬和学園大学で宗教活動を軌道に乗せるため、キリスト教と教育委員会の同僚と共に苦心惨憺。週報と『プニューマ』の発刊がキリスト教主義の砦となりました。2003年度新井明現学長のご就任と共にチャペル・アッセンブリ・アワー単位化。これによりある教育的気風を確立できました。教授職としては、哲学、比較宗教思想、現代哲学、組織神学ほか4つのゼミで超多忙。学生諸君と教室で出会うのが「一番の楽しみ」でした。日英20冊の著訳書の刊行、紀要への17篇の英文寄稿は敬和の英気の一端。2月の中旬恩師ジョン・カブ教授の遺産を祝賀する国際シンポジウムで発題しての帰途、太平洋上独立研究所への復帰の意欲満々。

皆さまのご多幸を心より祈りました。