チャペルのひびき

この小さな者にしたのは

2018年度後期第1回目のC.A.H.を9月28日に守ることができました。チャペル・アワーにおいては、山田耕太学長先生よりマタイ福音書28章に記されている主イエスの言葉の丁寧な説き明かしをお聞きすることのできたことは、幸いでした。ここに記されている「私の兄弟であるこの最も小さき者の一人にしたことは、私にしてくれたことなのである。」との言葉が、モーセや預言者たちといった旧約聖書の系譜に連なる言葉であること、またその後のヨーロッパ社会を通奏低音のように支える精神の一つとなっていったことを、ベネディクト修道院やトルストイの童話「靴屋のマルチン」、更にはマザー・テレサの生涯などに触れながら、学長先生は教えてくださいました。人々から見棄てられがちな弱き立場におかれた人々に寄り添い、その方々に愛をもって仕えてゆくことは、実はキリストに仕えてゆくことと同じ。そしてこのことは校歌にも歌われている敬和の心であることを覚えたいと思います。引き続くアッセンブリ・アワーでは、前期エッセイ・コンテストの授賞式が執り行われ、受賞者を代表して、学長賞を受賞された阿部航輝君が、ご自身の優れたエッセイを朗読してくださいました。C.A.H.で語られた言葉の数々が、学生の皆さんの心の中で豊かに反響していることを知ることができるのは大きな喜びです。今学期のC.A.H.においても多くのよき言葉と出会ってほしいと願っています。(下田尾 治郎)

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「最も小さい者の一人に」 学長 山田耕太 先生
20180928チャペル・アッセンブリ・アワー2

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
2018度前期エッセイ・コンテスト授賞式
20180928チャペル・アッセンブリ・アワー3

20180928チャペル・アッセンブリ・アワー4

<参加学生の感想>
感想1) 山田学長が言われた「若いうちに『何のために生きるのか』という方針を決めておくこと」は、とても大切なことだと感じました。流されて、なりゆきに任せてのらりくらりと生きることは、自分の意志が弱い人生を送ることになるのではないでしょうか。羊と山羊の例え話を他人にした優しいことは神さまにしたことと同じと訳しました。つまり「回りまわって自分にも優しいことが起こる」という伝承は本当だと感じました。まさに「隣人愛」ですね。
感想2) 貧しい靴のお話が特に印象に残りました。なんで生きているんだろうって考えることがよくあるので、この話はとてもためになりました。「人間は愛のために生きる」この言葉を常に頭に入れておき、人や自然を大切にしていこうと思います。
感想3) 山田学長の「最も小さい者の一人に」の言葉がマザー・テレサの活動を後押しする言葉であるということは初耳でした。この言葉は敬和学園大学のボランティア精神にとても相応しい言葉であると感じました。
感想4)エッセイ・コンテストに受賞された3人の皆さん、おめでとうございます。特に、読まれた阿部さんのエッセイはよくまとまっていて聞きやすく、さまざまな視点から考えていたので、私もあのようにエッセイを書きたいと思いました。聖書の言葉も入っていて優れたエッセイだと感じました。