チャペルのひびき

良き言葉との出会いに向けて

2023年度の敬和学園大学の歩みが始まりました。本学のキリスト教教育の要(かなめ)と位置づけられるチャペル・アッセンブリ・アワーも、豊かな恵みのうちにスタートすることができました。恒例により、第1回目のチャペル・アッセンブリ・アワーは、新入生歓迎公開学術講演会、第2回目は、オリエンテーションの一部として、開会礼拝、学長講演として守られました。14日の学術講演会では、スティーブン・リーパー先生(平和活動家)が、「第三次世界大戦を回避するために」との題のもと、現代社会を支配する競争原理に基づく戦争文化から、愛の原理に基づく平和文化の形成の必要性をお示しくださいました。そのためには、他者、自然、また自分との平和を培ってゆくこと、また力を支配するために用いるのではなく、愛のために用いてゆくことが大事であると、先生は力強く語られました。21日の学長講演会では、金山愛子学長先生が、本学が教育の柱と掲げるリベラルアーツの意義について、丁寧にご説明くださいました。リベラルアーツの要諦は、バランスのとれた多様な学びを通して、また自分とは異なる意見に耳を傾けることを通して、複眼思考を養ってゆくことにあること。それはまた、独断や偏見から自由にされてゆくことでもあることを先生のお話を通して覚えることができました。そのようにして培われた自由と力を他者に仕える愛の実践の中で用いてゆくことに本学での学びの意義はあるのでしょう。本日より、チャペル・アッセンブリ・アワーは通常の形でもたれます。前半部はチャペル・アワーと称する礼拝の時間、後半部はアッセンブリ・アワーとして、学内外からのスピーカ―を立てての講話、あるいは学生の活動発表の時間として用いられます。チャペル・アッセンブリ・アワーを通して、本学での学びに良き方向性を与えてくれるような、また生涯を導き支えてくれるであろう多くの良き言葉に出会うことができますよう、心よりお祈りいたします。(下田尾 治郎)

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「いのちを与える言葉との出会いに向けて」 宗教部長 下田尾治郎 先生

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
講話 「リベラルアーツの学びとディプロマポリシー」 学長 金山愛子 先生

<参加学生の感想>
感想1) リベラルアーツの意味と教育についてよく理解できた。今後、いろいろな方向性から物事を見つめ、いろいろな可能性を考えて解決法を見つけていこうと思った。この大学に入ってキリスト教の文化や知らなかったことを初めて気づけた。宗教の違いや考え方の違いに気づけたので自分が見ていた世界が小さかったことを改めて理解した。なので、これから広い視点で世界を見ていこうと思った。今までとは違い、自分の考えを持つことが大事だと最近、身をもって感じているので、大学の授業を通して自分の考えを持ち、また発言できるようになりたいと思った。リベラルアーツが古代から存在していることに驚いた。時代に応じて変化してきた言葉と数学の学問のように物事の考え方や常識も変わっていくと思う。なので、昔の常識を理解しつつ、今の常識も考えて、自分の言葉で説明できるようになりたいと思った。
感想2) 今回の講演では大学で実施されているリベラルアーツについて学ぶことができた。リベラルアーツの歴史は意外にも古く、2500年前のギリシアで考えられていたのには驚かされた。それほど昔のことにも関わらず、現代にも必要とされているリベラルアーツの取り組みと学問のつながりについて改めて知り、今後の学生生活において身につけるべき力を定めることができた。今までの自分には勉強しか自分の力をつける方法がないと思っていたが、自身の精神や判断力などの勉強だけでは身につかない能力があることに気づけた。今後は自分に何が足りないかを見極めながら、社会において必要とされる力をつけられるように努力したいと思う。