チャペルのひびき

愛には恐れがない

チャペル・アワーは、金山愛子学長先生が説教をご担当くださいました。「愛には恐れがない」(ヨハネ第1の手紙、4章18節)の聖句をもとにメッセージを語ってくださいました。私たちは、しばしば自分に敵意を向けてくるような人たちを前に恐れを抱き、その人たちから逃れようと背を向けてしまいます。けれども、そんな時こそ、その人たちに愛をもって「向き直る」ことが大切であることを先生は教えてくださいました。主イエスは、まさにそのような仕方で敵を愛しぬかれたかたであることを聖書は伝えています。そのような生き方を通して、争い多きこの世界に平和の礎を据えてくださったのです。愛する者は、恐れから解き放たれるのですね。引き続いてもたれたアッセンブリ・アワーにおいては、4月より本学にご着任された金耿昊先生(国際文化学科准教授)より、ご自身のたどって来られた道について、貴重なお話を伺う機会を与えられました。在日韓国人としてのご自身のルーツを見つめつつ、そのことがもたらす葛藤の中で真摯に問いを発し続けられ、歴史学へと導かれた先生の歩みに心打たれました。先生の歩みはまた、クリスチャンホームとして生まれ育てられたがゆえの教会に対する違和感のただ中にあって、キリスト教の今日的意義を不断に問い直してゆく歩みであることも知ることがゆるされました。先生の問いかけは、現代を生きる日本人の私たちにとっても大事な問いかけであります。金先生を本学にお迎えすることのできたことの幸いを覚えます。(下田尾 治郎)

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「恐れから解放されるために」 学長 金山愛子 先生

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
講話 「キリスト者としての私:これまでとこれから」 准教授 金耿昊 先生 

<参加学生の感想>
感想1) 金山学長のお話を聞いて、確かに恐れる気持ちと愛する気持ちの間には深い関係があると思った。そして、憎んでいた存在を愛するということは自分自身の気持ちを受け入れ、何かを憎んでいた自分を愛するということでもあると感じた。そして、金先生のお話を聞いて、自身のルーツや地域の歴史について調べ、学習をすることの大切さを改めて感じた。身の回りで起こっていることや今の自分を構成しているものについて理解しているのとしていないのとでは、所属している社会を担う1人の人間として当事者意識に大きく差が生まれると思ったからだ。
感想2) 金山学長のお話の中にあった「向き直れ」という言葉と「追われるものから追うものになった」という言葉が印象に残りました。恐れているものを愛するためにはそのものに向き直る必要があると分かりました。これはそう簡単にできることではないけれど、少しずつでも自分の気持ちを変えていければいいのかなと思いました。
感想3) 今日の講義で、私は金先生のお話がとても印象に残りました。私という存在はいったい誰なのかという問いについて、私は何度も考えたことがあります。答えは人それぞれだし、答えはないという考え方もあるかもしれないけど、私は敬和学園大学に入学して、キリスト教学やチャペル・アッセンブリ・アワーの講義を受けたことで、少しだけ答えに近づいているような気がしています。私は今まで生きてきた中で、キリスト教に触れる機会がなく、大学に入って初めてキリスト教というものについて学び始めたので、まだまだ考え方は未熟だし、配られる資料や聖書を見ても、そこに書かれていることをきちんと理解できないのが現状です。でも、今まで全く触れることがなかったことに大学で触れることができているのはとても良い機会だと思っています。まだ数回しか講義を受けていないけど、キリスト教に少しずつ興味が湧いてきています。これからの講義も集中して受けて、キリスト教についての学びを深めていきたいです。