チャペルのひびき

「贈ること」の意義

チャペル・アワーの説教をご担当くださったのは、池田純平先生(日本基督教団村上教会牧師)でした。「人のものさし、神のものさし」とのタイトルのもと、「ルカによる福音書」に記された徴税人ザアカイと主イエスの出会いのエピソードを通してメッセージをお届けくださいました。ザアカイは、ローマ帝国の手先として、同胞のユダヤ人たちから重たい税金を徴収し、自らは裕福な生活をしていた嫌われ者。主イエスは、そんなザアカイのもとに近づき、彼の家に招かれ、彼の友となってゆきます。世間の人々の尺度とは異なる主イエス(神)の眼差しのもと、ザアカイは、変えられてゆきます。主イエスとの出会いを通して、ザアカイは、神を愛し隣人を愛する存在としての本来の人間の姿へと回復されていったと考えることができるでしょう。そのことを「救い」としてルカ福音書は描いています。引き続く、アッセンブリ・アワーでは、和田献太郎先生が、サンタクロース伝説の起源と考えられるミラの司教聖ニコラウスの生涯、またそこに由来する「シークレットサンタ」といった考えなどに触れながら、「贈ること」の意義について考える機会をお与えくださいました。聖書は、神さまから私たちへの最大、最高の贈りものとして、イエスという方について証しています。その証しの中に込められているのは、神の眼差し(ものさし)のもとで私たち一人ひとりが尊いとされていることに気づいてほしいとの神の思いです。もっと簡単に言えば、神さまは、イエス・キリストという贈りものを通して、私たち一人ひとりが特別な存在であることを伝えてくださっておられるのです。「贈ること」の意義は、「あなたは私にとって特別な存在です」との思いを伝えることに尽きるでしょう。ザアカイも、神さまからの主イエスという贈りものを受け取った一人です。(下田尾 治郎)

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「人のものさし、神のものさし」 日本基督教団村上教会牧師 池田純平 先生

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
講話 「サンタクロースの精神」 キリスト教教育主事 和田献太郎 先生

<参加学生の感想>
感想1) 今日の聖書箇所は、ザアカイについての物語でした。私はこのザアカイの話を聞き、イエスが大切にしていたのは「食事を共にする」ことだと考えます。イエスは罪人であるザアカイと食事を共にすることで、正しい人を招くのではなく、罪人を招き入れているのではないかと考えます。また、イエス自身、自分のものさしから外れることで、世の中には多くのものさしがあることに気づき、自分という存在の大切さを改めて理解するのではないかと考えます。
感想2) 今日のチャペル・アワーの村上教会牧師池田先生の説教は、私にとってためになるものでした。池田先生は、聖書の徴税人ザアカイのエピソードに絡め、複数の価値観、「ものさし」で考えることの大切さを説かれました。私は生活していて、他人よりも自分が劣っているように感じられ、落ち込むことがあります。そうした時に、別の視点から物事を見ることにより、救われた気分になるかもしれません。大変心強いお話でした。アッセンブリ・アワーでは、和田先生からお話しいただきました。私は性格がよくないので、つい自分が満足するかどうかを優先してしまいます。そうではなく、相手の喜びを自分の喜びとすることは、人間関係において大きなヒントになると感じました。
感想3) チャペル・アワーでは、周りの人の価値観に流されるのではなく、自分の価値観を大切にすることは悪いことではないということが分かりました。周りと一緒でなければ、と考えてしまい、自分に対して不安を感じてしまうことがあるけれども、イエスが罪人と疎まれていた人に声をかけ、救ったように自分で決めることが大事だということに気がつきました。アッセンブリ・アワーでは、人にプレゼントを贈るという行動について考えることができました。見返りを求めてしまったり、自己満足だったりと相手のことを思っていない場合もあるけれども、それはプレゼントを贈るという行動の大事な意味を変えてしまうものだと思いました。