チャペルのひびき

重荷を共に負いつつ

チャペル・アッセンブリ・アワーは学生寮(向山寮)の寮監をしてくださっておられる菊地恵美香先生と辻元秀夫先生がご担当くださいました。チャペル・アワーにおいては、牧師でもあられる菊地先生が、マタイ福音書をテキストに、イエス・キリストに重荷を委ねる(信頼して任せる)ことの恵みを伝えてくださいました。生きるということは、ある意味において、重荷(悩みや試練)を幾重にも負ってゆくこと。主イエスは、私たちを休ませるために、その重荷を負ってくださる方。また、再び歩み出す時には、その半分を負いつつ、共に歩んでくださる方であることを覚えることができました。そして、それらの重荷は、耐えられないようなものでは決してなく、そのことを通して、私たちが成長できるようなものであることも、先生は聖書の言葉を通して教えてくださいました。アッセンブリ・アワーでは、敬和学園高校の教諭を長らく勤められてきた辻元先生が、向山寮において、寮生たちを指導される際に大切にされておられることをお伝えくださいました。異なる価値観を有する人と共同作業ができる力、自分の価値と共に他者の価値をも重んじる力、問題に対処し、話し合いにより問題を解決する力、同調圧力に屈することなく民主的共同体を形成する力、ルールのもとで個性を発揮する大切さ、自分の価値を覆すような大きなものとの出合い、などなど。こうしたことは、寮生のみならず、本学に学ぶ一人ひとりが、成長目標として、心に刻むべき大切な事柄といってもよいでしょう。向山寮において、若き魂に寄り添い、彼(女)らの重荷を共に負いつつ、日々を過ごされておられるお2人であるがゆえの、説得力を持ったお話を伺うことができました。(下田尾 治郎) 

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「人生の同伴者」 敬和学園大学学生寮(向山寮)寮監 菊地恵美香 先生

Ⅱ. アッセンブリ・アワー
講話 「敬和学園大学向山寮のご紹介」 敬和学園大学学生寮(向山寮)寮監 辻元秀夫 先生

<参加学生の感想>
感想1) 生きていく上で、人が重荷を負うのは付き物であり、時には休息が必要です。マタイによる福音書11章28~30節のイエスさまのお言葉は暖かく感じました。重荷を一緒に背負ってくれる人はいる、耐えられない重荷の半分はイエスさまが背負ってくださるということを胸に刻んでいきたいです。重荷を負い、課題に向き合うことで自分自身も成長でき、学べるものがあると考えています。また、私たちの考えるものは自分で考えたものではない、という辻元秀夫先生のお言葉にはっとしました。私たちは気づかぬうちに日本社会の価値観にとらわれていることに気づかされました。価値観にとらわれることで、自ら選択を挟めていることに気づいている人は少ないのではと思いました。「こうするのが普通だから、当たり前だから」という考えを捨て、自分の正直な思いを持つ。そして、それを大切にするべきだと考えます。
感想2) 今日の話を聞いて私は余裕のない状態であるのだと認識しました。イエスの重荷の話では、重荷を投げ出し放棄するのではなく、荷物を半分にして調整し、休ませるのだということであると知り、興味深いと思いました。無条件に重荷を消すのではなく、共に背負い解決しようとするところにイエスの優しさを感じました。向山寮では学生が自治をしてまとめている。そして、その中に学びがあるということを、話を聞いて実感しました。日本では自分の価値は他人が決めているが、一方キリスト教の価値観では人間の価値は神によって決まっているということを知り、文化や思想の違いを感じました。人間の不幸の9割は他人との比較から来ていると聞いて、確かにそのとおりだと思いました。私は寮生ではありませんが、6つの力を身につけて、今後の人生をよりよいものにしたいと思います。