チャペルのひびき
歴史を学ぶことの意義
2025年最初のアッセンブリ・アワーは、郷土史を専門とされる関川義藏先生(新発田郷土研究会)と鶴巻康志先生(新発田市立歴史図書館副参事)のお二方をお招きし、新発田藩に大事に保存されてきた貴重な歴史的資料、三幅の越後の國絵図について知る機会を与えられました。江戸時代の正保、元禄、天保の3つの治世に、幕府の命に応じて造られたこれらの絵図を通して読み取ることができるのは、新潟が現在のコメどころとしてありえたのは、川の流れに翻弄されながらも、新技術をもって、治水に精力を傾けてきた先人たちのおかげであること。歴史を知ることは、私たちが今ある現在を知ること。また、先人たちにならい、よりよき未来に向けて現在の試練を克服してゆくことであることを心に刻むことがゆるされました。
それに先立つチャペル・アワーでは、ルカ福音書2章に記された少年イエスの12歳の時の出来事に心を留めました。少年イエスが、両親と共に、過ぎ越しの祭りを祝うために、都エルサレムに赴いた際の出来事です。帰路の雑踏の中でイエスを見失った両親がわが子を見いだしたのは、神殿の境内でした。二人の心配をよそに、学者たちと周りの人々をその賢さで驚かしていたのです。しかしその出来事が伝えるのは、しばしばそう捉えられてしまうようなイエスの神童ぶりではなく、学者たちを前に謙虚に、しかも、積極的に学んでゆこうとする神の子の姿です。イエスは、ふるさとにおいては、知り得なかったことをこの機会を捉えて学び尽くそうとしていたのでした。聖書を通して、世界について、またその中における自分の役割について、謙虚かつ積極的に学び取ろうとするその姿に、また新しく得た知識をもって、高ぶることなく、むしろ人々に仕えてゆかんとするイエスに、倣うべきことは多いはずです。(下田尾 治郎)
Ⅰ.チャペル・アワー
説教 「主イエスにならいて」 宗教部長 下田尾治郎 先生
Ⅱ.アッセンブリ・アワー
講話 「國絵図の世界 (越後國の場合)~ 國絵図って何?~」 新発田市郷土研究会 関川義藏 先生、新発田市立歴史図書館副参事 鶴巻康志 先生
<参加学生の感想>
感想1) イエスは最初からスーパーキッズとして産まれたのではない。私たちと同じように、幼児期は誰かに守ってもらい、人生で学びを得ていた。これを聞いて、私は、人は人生においてどんな生き方、学びを得ることができると感じた。平等に与えられた「時間」を自分の人生をより豊かにするために有効活用していく。また、イエスが大切にしてきた、「他者を尊重すること」を忘れずに過ごしていきたい。生まれ持った障害は平等ではない。身体の不自由な人、貧困な人の人生が豊かになるよう、主イエスにならい支えていきたいと思った。
感想2) アッセンブリ・アワーでは、國絵図について鶴巻先生と関川先生がお話しくださいました。國絵図に深く触れる機会は今までなかったので、今回の講演を聞いて、國絵図のことを知ると共に、地域の歴史に触れることができ関心が高まりました。それぞれが所属するものをいろはに色分けしたり、道の情報が詳細に書かれているなど、とても印象的でした。國絵図を見比べることで、新たな発見があり、地域が今の状態になるまでに、どのような歴史があったのか考えるようになりました。
感想3) アッセンブリ・アワーでは國絵図と呼ばれる江戸時代に日本地図を作成するために書かれた地図を用いて、新潟の昔の地形を学びました。地図の書き方が一人ひとり異なるため、地図同士をくっつけたりして、大きな地図を作ることはとても難しいと思いました。また、この國絵図は年貢を集めるために作成され、当時は使われていましたが、現在では昔と今の地形の変化などを読み取れると思うので、どんな些細なことでも記録して残しておくことが大事なのかなと考えました。