チャペルのひびき

各自に与えられているたまものに対する責任

チャペル・アワーでは、山田耕太学長先生が、「タラントンのたとえ」との題のもと、マタイ福音書25章14~27節に記された主イエスの言葉を通してメッセージを語ってくださいました。大事なことは、私たち一人ひとりに、神さまは、偏差値等の世間一般の尺度によっては測ることのできない貴いたまものを与えてくださっておられるということ。そのことに気づき、心を込めてそのたまものを磨き上げてゆくことが各自の責任であることを先生は教えてくださいました。敬和学園大学の教育は、そのような世間の価値基準では測りきることのできないたまものが、若人一人ひとりの中に宿されていることに畏怖の念を抱きつつ、なされてゆく教育でもあるのです。引き続くアッセンブリ・アワーでは、株式会社バウハウス代表取締役の肥田野正明先生が、企業価値と社会価値を同時に実現すべく取り組んでおられるご自身のビジネスについてご紹介くださいました。障がいを持った方々の支援等の社会貢献活動を、取り込んでゆく仕方で営まれてきた多岐にわたるビジネスの姿は、社会が向かうべき将来のありさまを、豊かに示しているようで、誠に刺激的でありました。「努力は夢中に勝てない」とのすてきな言葉をご紹介くださりながら、好きということから物事を考えてゆくことが、ビジネスを創造的に推し進めてゆく原動力となることを、お話の最後のところで教えてくださいました。「すべての社会(文化)活動の根源には遊びがある」と言った文化史家ホイジンガの言葉を思い起こしました。(下田尾 治郎)

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「タラントンのたとえ」 学長 山田耕太 先生

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
講話 「新潟の持続可能な社会づくり」 株式会社バウハウス代表取締役 肥田野正明 先生

<参加学生の感想>
感想1)山田学長からの説教のお話としてタラントンのたとえ話を聞いて、最初は何の意味があるのだろうと聞いてみて、人は生まれながらに持った才能や忠実さを用いなさいと聞いて、人は一人ひとりいろいろな個性を持っているけど、決して無駄な者はいない。そして忠実さという、神から与えてくれたたまものを大切に使いなさいということが分かる大事なお話でした。次のお話では肥田野先生の新潟でのSDGsの取り組み方を聞いてみて、障がい者の方に関するアートや企業の働きをビジネスとして考え、障がい者が社会でとても過ごしやすいような環境づくりや、社会的課題に解決できるようなとてもいい活動だと思い関心を持ちました。このような持続可能な社会が増えて欲しいなと思いました。これから先SDGsが世界全体に広がって、社会がより過ごしやすいものになって欲しいと願っています。肥田野先生の取り組み方はとてもすばらしいと思いました。
感想2)山田学長先生からのお話を聞き、そのお話の中のイエスのたとえ話「タラントンのたとえ」から、人間は一人ひとり神さまから才能を授かっており、その才能を自分の手で大切に育てることが重要ということを学んだ。みんな違ってみんないいという言葉のように、自分が他の人と違う才能を授かっていることに気づき、その才能を大事にしていくことを今後自分もできればと思う。また肥田野先生のお話からは、障がい者の在り方について考えさせられたことがたくさんあった。特に障がい者の方にとって無理のない就労という点に注目し、障がいによって変わる個人の強みに合う企業とマッチングさせ、障がい者でも働きやすい環境を提供することができるこの取り組みは、働きたい障がい者と働き手が欲しい企業のどちらも助かるいい取り組みだと感じた。さらにSDGsはビジネスからではなく好きなことから考えるという言葉も強く印象に残った。