チャペルのひびき

いちばん小さな者を中心に置き直すこと

チャペル・アワーは、大澤秀夫先生(本学・前宗教部長)が担当くださり、「ルカ福音書」に記された「受胎告知」のエピソードから、豊かなメッセージを紡ぎ出してくださいました。ナザレの村の娘マリヤのもとに、天使ガブリエルが来て、マリヤが神の子を宿すということを告げるのです。にわかには信じられぬマリヤは戸惑います、けれども、最後には神さまを信じつつ自分の人生においてその言葉を受けとめてゆこうと決意します。「お言葉とおり、この身になりますように」と。私たちの人生の途上においても、時に、受け入れ難きことが起こってきます。けれども、もがきつつも、そのことを受け入れ、歩んでゆくことを通して、そこに込められた真の意味が、また同時に、自らの人生の意味が明らかにされてゆくのだということを、先生はご自身のご経験に触れつつ教えてくださいました。大澤先生は、宗教部長をされていた時代に山﨑由紀先生のアメリカ留学時のお話をもとに、新発田の地にサンタプロジェクトを始められた方でもあります。クリスマスの季節に病院で過ごさねばならない子どもたちに本を贈るこのプロジェクトは、新潟を越えて日本各地に広まりつつある運動です。このプロジェクトの心といってもよい、いちばん小さな者を中心に置き直し、皆で守ってゆこうとすることこそが、イエス・キリストのできごとを通して神さまが教えてくださったあるべき社会の縮図であることも、先生のお話を通して心に留めることができました。(下田尾 治郎)

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「今、この時から始まる」 前宗教部長 大澤秀夫 先生

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
講話 サンタプロジェクトしばた活動報告

<参加学生の感想>
感想1) 私自身、自分が生まれてきた意味や生きている意味とは何なのか、よく分かっていません。しかし、「calling」という言葉を知れたことで心が救われたような気がしました。誰もが名前を呼ばれていて、それに答えるという生きる意味があるそうです。神は一人ひとりのことをいつも見てくれていると信じて生きていきたいと思います。
感想2) サンタプロジェクトの活動報告では、学生たちが協力し、病院や書店と協力して子どもに本を届けるというすばらしい活動をしていました。マグドナルドハウスにいがたでは、子どもの病気の治療に最善を尽くせる「第二の家」をコンセプトに事業を展開し、費用も安く、治療に専念できるようになっています。このような施設がもっと増えてほしいと思いました。
感想3) 大澤先生のお話を聞いて、もし私がマリヤの立場であったとしたならば、私も彼女同様に天使の言葉に驚き戸惑うだろうと思います。しかし、彼女はその戸惑い以上に神の御心にかなうことが信仰者としての真の姿だと理解し、天使の言葉を受け止めたことは、人間が理解できない先の行為を受け止め信じることで、新たな発見があることを暗示しているのではないかと考えました。また、“Call”という単語が“召す”という意味も持っており、我々が偶然に生まれてきたのではない、尊い存在を神が生みだしたということまでも意味しているのは、とても興味深いと感じましたし、普段学んでいる英単語が宗教的な意味も包含しているということは、とても驚くべきことであると感じました。私は今後、キリスト教や英語を理解する上で、単語ということにも着目して語学を学んでいきたいとも考えました。言語と宗教の関連について新たな発見をすることができた、大変興味深いお話でした。そして、私たち人間は目前の嫌なこと、困難なことをすぐに避けがちでありますが、その時いったん立ち止まってみて、神さまが私たちに求めていることは何か、私たちが何をすれば御心にかなうのか熟考し、それを実践、行動することが今後の私の目標になると考えました。