チャペルのひびき

取り去られることのない光

チャペル・アワーは、「旧約聖書」の「エレミヤ書」から学びました。神の使命に生きる預言者エレミヤは、その使命により孤独を余儀なくされます。そのことはエレミヤにとってもつらいこと。その孤独に耐えかねてエレミヤは神への嘆きの声を上げます。けれども、そんなエレミヤに対して、神は、御心にかなわぬ仕方で生きる人々(ユダの人々)に安易に同調してゆくことを戒めます。「あなたが彼らのもとに帰るのではなく、彼らがあなたのもとに帰るのだ」と。やがて、彼らがあなたの力を、またあなたを通して語られる神の慰めと励ましを必要とする時が来ることを伝えるのです。事実、その後に起こったバビロン捕囚の試練の中で、ユダの人々は預言者の語る言葉によって、励まされ、未来に向けて顔をあげてゆくことになります。孤独は、誰にとってもつらいこと。けれども、あえて孤独を引き受け、忍ばねばならぬ時が人生には存在します。また、その孤独の経験を耐え抜いてこそ、人は、周囲の人々に豊かな糧を与える者へと成長しうることもあるのです。エレミヤの人生は、そのことを教えてくれます。アッセンブリ・アワーは、音楽療法士の大竹孔三先生がご担当くださり、音楽を通して、人々に癒しを与えると共に、地域を結びつけ、活性化してゆかんとするご自身の活動をご紹介くださいました。多くのお仲間たちとの協同のもと、試行錯誤をしつつ、活動されておられるそのお姿に、地域に仕えてゆくことのよきモデルを見ることが許されました。(下田尾 治郎)

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「人を恐れず、神を恐れる」 宗教部長 下田尾治郎 先生

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
講話 「共生社会に貢献するための音楽の役割とは」 音楽療法士、Sounding Joy JAPAN代表 大竹孔三 先生

<参加学生の感想>
感想1) 万物はロゴスなるキリストによってつくられたからこそ、この世は美しいのだと思いました。しかし、今の世は不安と暴力に包まれており崩壊の危機にあります。山田学長は、「不安」こそ神から離れている魂の状態であるとおっしゃいました。ノアの物語でも感じたことですが、世界が悪に染まっている時、人々は“神の愛の下生きている”ということを忘れています。今の世界は力のある者は権力を振りかざし、人々は未来に不安を抱え途方に暮れている状態にあります。今こそ、人々は神のそばに立ち返るべきではないでしょうか。人生に絶望した時、世に不安を感じた時は、神の御言葉を思い出す必要があると思います。
感想2) キリスト教における言葉の概念的な話で難しく感じましたが、大学に入ってから「人に伝えること」、そのために使う「言葉」の大切さをより深く考えるようになりました。元々ロゴスとして存在していた神は人や物を形成する核となり、人々の内側に存在しているのだと分かりました。不安こそ魂が神から離れている状態だ、とありましたが、心の支柱がなくなっているのだと思います。私たちは言葉によって喜んだり、苦しんだり、左右されることが多いです。不安な時は前向きな言葉を実際に口にすることで、気持ちが明るくなることがあります。言葉は魂そのものであり、だからこそ伝える・受け取るのは難しいのだと思いました。