学長室だより

2003年8月26日号

赴任して、戸惑うことがいくつかありました。事務的な仕事では、そう困ることはありませんでしたが、ただそれはこちらがそう思うだけであって、ほんとうは事務方には、ずいぶんと迷惑をかけたことでしょう。わたしが気づいていることのひとつは、わたしは図書館に通う時間が多すぎるということでありました。長年のくせで、書架のそぱの机に、すぐ座りたがるのです。学生のあいだで書物のページをめくったり、調べごとをしていて、つい時間の経過を忘れるのです。しかし、それでは外部との連絡に応じたり、訪問客と面談したり、「起案書」に目をとおしたりすることはできません。わたしが学内にいると分かっているのに、連絡がとれないのは、事務サイドとしては、まことに遺憾なことであるに相違ありません。(じっさいに何回か注意を受けました。)
このごろの「図書館だより」(2003年7月)で、図書館長の柴沼晶子教授が、「学生にとっては教員が同じ場所で書を紐解いておられる姿に接することは・・・無言の教えを得る機会となることでしょう」とお書きくださいました。そのとおりです。わたしも、なんとかして館長先生のご意向に添える境遇に達したきもの、と念じています。(新井 明)