学長室だより
2005年12月9日号
12月3日(土)は高校と大学の合同クリスマス研修会が新潟市太夫浜の敬和学園高校で行なわれた。関田寛雄先生が「キリスト教主義教育の基盤」を語ってくださった。「人間らしい心を備えた人間になる教育」――これが本学の教育目標であるが、関田先生ははじめから、それに賛意を評してくださった。キリスト教のライフ・スタイルの構築、それこそが文化のいとなみであるというお考えである。
その根底には、他者を存在たらしめる「在りて在るもの」への信頼がある。他者との関係、和合、共生を求めてやまない存在、他者の嘆きを聴き抜いてくださる存在としての神の姿が、そこにある。そこでは完全主義は「サタンのささやき」に過ぎない。
神学の専門家でありながら、社会の底辺で(差別を背負いつつ)呻吟する人びとのために労苦してこられた牧師・関田先生の、現実を見据えたお声は、待降節を迎えた聴衆の心にしみた。(新井 明)