学長室だより

2007年11月2日号

「どの大学へ行くべきか」 ということが、中高生やその保護者にとっては問題となっている。今は贅沢さえ言わなければ、どこかの大学には入れるのだが、その場合に何でもかでも東京へ、あるいは京阪神へ、ではいけない。都会の大きな大学へ入って、すこし過ごしてみても、その後、すぐに生まれ育った地方へ戻ってくる若者たちが少なくない。聞いてみると、都会は寂しかった、大学が淋しかった、友達に出会わなかった、と答える。第一に生活費がかかるであろう。
敬和学園大学の4年生が新聞社の問いに答えている――「敬和では、専門分野以外もひろく学べる」。「学生、教員、職員の方、掃除のおばさんまで、みんな仲良し!」(朝日新聞、新潟版、7月13日)固い言い方をすれば、アット・ホームな雰囲気のなかで、自由高等教育を広く受けることのできる場です、と答えているということになるのであろう。心安らかな雰囲気で、厳しい知的訓練を受けることができる。それは幸せなことである。(新井 明)