学長室だより

吉田新一先生への感謝

図書館の奥に絵本のテーブルがあるのはご存じでしょうか?テーブルには、1906年からニューヨーク公共図書館児童部門の責任者を務めたアン・キャロル・ムーアという図書館司書が作った“Seven Stories High”(七段の本棚作り)という約300冊の子どもの本を推薦するブックリストから選んだ本が並べてあります。このリストのことや英米絵本のことを私に教えてくださった吉田新一先生は、立教大学名誉教授で、日本イギリス児童文学会会長、絵本学会初代会長、軽井沢絵本の森美術館名誉顧問を歴任されました。吉田新一先生のご逝去を知り、深い悲しみと感謝の気持ちを覚えています。本学では、2003年から15年ほどオープンカレッジとして絵本講座を開催し、毎年100名くらいの参加者にご来場いただいておりました。初回は福音館書店創始者の故松居直先生、それから森洋子先生、眞壁伍郎先生、齋藤惇夫先生、吉田新一先生、清水眞砂子先生と、そうそうたる先生方がお越しくださり、1日半または1日でも6時間程度の長時間の講座を熱心に聞いていただいていました。ご準備される先生方は大変だったと思います。中でも一番多く講義をしてくださったのが吉田新一先生で、私は吉田先生に絵本のいろはから教えていただきましたので、勝手に「師匠」と呼んでいます。私の手元には、2007年の「英米絵本のたのしみ1」の資料から最終回の2017年度までの資料が残っています。軽妙に語られる吉田節が聞こえてくるようです。先生のエリナー・ファージョンの講義を聞いた学生が書いた「心を震わせる生き方」というレポートも残っています。先生のご講演の多くは、朝倉書店から出版された『イギリスの絵本 上下』等で読むことができます。「少年老い易く学成り難し。」図書館のテーブルを見ながら、吉田先生から教えていただいた数々を思い出し感謝の気持ちに溢れます。吉田先生、ありがとうございました。どうか安らかに(金山 愛子)

“Seven Stories High”の中から選ばれた本が並んでいます