学長室だより

土を耕す

前回は「心を耕す」ことについて書きましたが、実際に土を耕しながら、農福連携で障害者の就労支援や親子の交流会、収穫物の6次化など、地域福祉活動をしている趙ゼミの羽賀さん、太田さんと趙晤衍先生のお話を聞きました。二王子岳のふもとの上三光地区で3,000坪の耕作放棄地を借り受け、猿と共生しつつ、多くの方を巻き込む治癒農場のあり方を模索しています。粟島のアマドコロでアイスを作った実績のある趙ゼミでは、大豆やエゴマの商品化に取り組み、お料理が好きな羽賀さんは、「ずんだシュークリーム」や豆乳で作った担々麺などの試作をしているそうです。春の種まきでは、学生たちが生きづらさや社会との接点の持ちにくさを感じている方々とおしゃべりしながら作業をして、社会福祉協議会の方を驚かせたとか。昨夏は地元の方々と、豊富にある竹で水鉄砲を作って、歩いて上三光を知ってもらうためのマップを作り、親子スタンプラリーを企画したそうです。敬和学園高校で労作をしてきた太田さんは、最低限の手間で栽培しているため、障害がある方でも誰でも参加が可能なこの農業に、グリーンツーリズムの可能性を感じているようです。何もないと思っていた所が実はお宝に富んだ楽しい場所へと見方が変わったというすてきな話を聞いて、いつか彼らがどこかで食事を提供したり、英語文化コミュニケーション学科の学生と組んで海外からの観光客に田舎暮らしをしてもらう旅を考えられたらいいなと、人と地域をつなぐ果てしない可能性を夢見てしまいました。せっかく自然豊かな地で学んでいるのだから、この地の利を生かしたいものです。農場での活動に関心のある方はぜひ趙晤衍先生までご連絡ください。(金山 愛子)

農場での種まきの様子

農場での種まきの様子